第5話



 5話



 それは突然の事だった。大きな音がなりながらステージの光が全て消えた。俺側のバーがある方は少しまだ光がついているが、それでもステージの上は何も見えない。


 だが、次の瞬間。

 一気に光が着くと、そこには今回の主役の二人。・・・清美と朝日がいた。


 二人は着替えたのであろう。ダンス用と思われる特別な衣装になっていた。


 すると待っていたかのように、軽快なリズムな曲が流れ始めた。俺でも知っていそうな、・・・多分町中やコンビニとかで聞いたり、したことがあるんだと思う。


 そんな、洋楽を知らない人でも一度は聞いたことがある曲が流れ始めた。・・・思い出せることだけあって、いい曲である。


 そんな曲に合わせて、二人は動き始めた。曲調に合わせて、ゆっくりと動きながら・・・


 そのダンスはさっきおじさんが見せてくれた。ロックダンスとはまた違った・・・ポッピン系のダンスのような。


 でも、ポッピンに近いけど・・・その中でもアニメーション?の方なのかな?


 俺はなけなしのその知識をフルに使いながら、ダンスについて考えていく。さっきおじさんがダンスを見せてくれたから、ただ、ぼーっと見るだけじゃなくて、どんなダンスなのか見ることができている。


「・・・この年齢でここまで出来るとはな。」


 おじさんはそのダンスの熟練度に驚いているみたいだ。俺から見たらどんなところがすごいのかわからないが、すごいのだろう。


 そうしてそのダンスは終わた。・・・終わった瞬間、ダンスで疲れたのか、もしくは気づかれなのか、その場に座ってしまった。


 でも、今回の審査対象であるダンスは終わったのだから、別にいいだろう。・・・どうやって審査するんだ?


 いや、もし父の一存で決めるのならこれほどのダンスをしても無理だろうなって思って・・・いや断ったらここにいるダンサーからバッシングされるだろうけど。


 ・・・どうなるだろうか。


「どうでしたか?」


 それは、なやんでいたところを見て、・・・決まっているだろ?と仁美さんの問いかけであった。


 もし、間違った選択をしたらどうしてやろうか。・・・そんな目を向けながらの選択。

「高校生になったら許可する。・・・中学までは適当なところで練習していなさい。」


 一応許可は出たみたいだ。・・・高校という条件が出てきたけど。


 それでも、部活以外のダンス活動は許可されたので思う存分練習ができるだろう。・・・そういえばこの許可の中にはこういうクラブ?に来ることも含まれているのだろうか?


 ・・・いや、俺的には含まれている方がいいなって。知り合いだとしても、中学生がこんなところに入り浸っているのはよろしくはないからね。


「「やった!!!!」」


 それでも喜んでいるところを見ると・・・本当にストリートダンスが好きなんだなとわかる。


 改めてだけど、さっきのダンスはほんとすごかった。二人で踊っていたから予め振り付けは決めていたんだろうけど・・・それでもすごい揃っていたし。


 それに、曲のセンスも良かった。

 全部が二人にあっていたというか。


 その様子は俺のダンス欲に火をつけたみたいだ。何故かその瞬間から俺もダンスをやりたいと、そんな気持ちが溢れてきそうになる。


「おじさん。ロックダンスについて教えてもらえますか?」


 だから、自分からダンスの道に進もうと。流れるがままに進むだけではだめだと。


「お!ロックに興味が湧いてきたか!いいぞ教えてやる!」


 その返答は俺を深く招き入れるような。ダンスの沼が目の前にできた。・・・俺はその沼に怯えることなく進んでいく。それがダンスについて知れる方法なのだから。


「コーラでいいか?仁美お願いする!」


 話が長くなるのか、それともちゃんと聞いてほしいのか。もしくは話し相手になってほしいのか、ちゃんと聞いていられる体制に持ち込んできた。


「そうだな?まず何から話せばいいんだ?」

「できればロックダンスの特徴とか・・・近いダンスとか。」


 ロックについては何も調べることができなかった。ただ、おじさんのダンスを見て音楽のロックとは違うことは理解している。・・・それ以外なにもわかっていないのだが。


「ロックダンスっていうのは、そのなの通りロック、鍵を締めたように止まることから来ているんだ。・・・ほら、俺がダンスを見せたとき、止まってただろ?」


 あ!確かに。すっごいかっこよく止まっていたな。あれがロックだったんだ。・・・てっきり、途中の動きがロックのことなんだと思っていた。


「あとは・・・あれだ。コミカルな動きだ。ロックのダンスで使う動きは他のジャンルでは見ないようなやつが多いんだ。」


 あ!やっぱりそれもそうなんだ。ロックだけは特色が違ったし。


「ただ・・・ロックの動きは、他のダンスでは使えないようなのも多いから・・・最初は別のジャンルのほうが。。。」


 あ、なんか踏んだら行けない地雷を自分で踏み抜いてる。・・・お酒って怖いな〜


「でも、ブレイキンのパワームーブとかは他のダンスでは使えないですよね?」


 それが単純に疑問だ。さっきおじさんがいっていた事を聞くと・・・ダンスで多いと言われているブレイキンはどうなのだろうか。


「そうなんだよな〜。だけど、あいつらが言うには、ブレイキンとロックは違うとか。何言ってんだよ。」

「そうですね〜。」





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