No.31 破壊者との再戦!そして第四の破壊者!?


突如として現れた3体の破壊者。


絶望的な状況下と思われたが、全力を出せるようになった魔王達はこれを一蹴。


「ふん、一昨日来やがれ」

「なんという力!」

ティターノはフラマーラの圧倒的な力を目の当たりにしてただ驚く事しか出来なかった。


「さあてと……ん?」

フラマーラが消し飛ばした破壊者の中から焔の塊が現れる。


「なんだあれは……?」

「あら、随分と大きなコアね」

破壊者を取り込んだイビルハンガーも、跡形もなく姿を消した筈がその巨大なコアだけは残っていた。


そのコアは空に上がって行く。


「ひっひっひ、そいつらが敵わないなんて想定済みだ」


巨大なコアは、マドボラがいる場所に設置された装置に向かって収束する。


「魔力の吸収完了!!次のフェーズに移行する!起動だ!」

マドボラが声を上げると彼の眼前にある地面が割れ、その下から巨大な何かが現れる。


「こいつはコントロール権を奪う以外にろくに改造出来なかったが、まあいい。それはまた後でだ。行くぞ光の破壊者ゴーレム!」


現れた光の破壊者の胸部分に飛んで行くマドボラ。


そこには光輝く巨大なコアがあり、彼はそのコアと融合した。


「ぐおお!!ぐははははは!!良いな!!とんでもねぇ魔力が体を駆け巡る!!景気づけに一発ぶっ放してやるぜ!」


破壊者の腕からビームが放たれ、その軌道にあるものを吹き飛ばす。



「まさか破壊者をコントロールするためにそこまでするとはな」

上からマドボラに話しかける声がする。


「ん?おお、闇と耀の魔王様方か」

上空にはテネバイサスとアウレンデントが、マドボラを見下ろす形で飛んでいた。


「丁度良い!貴様らで試運転といくか!ゴーレム!」


マドボラが合図をすると耀の破壊者は再度ビームを放つ。

空を飛びまわりテネバイサスとアウレンデントは攻撃をしかける。


「光線だったらこっちも!」

アウレンデントは相手に劣らぬ程の巨大なビームを放つ。


「ひっひっひ!効くか!」

破壊者は光の壁に覆われたビームを弾き返す。


「あらま、効かないのね」


するとこの時、破壊者のコアが赤く光る。


「おお!炎のコアが変換完了したな!!ちょいと試しに焼き払ってみるか!ゴーレム!フレイムチャージ!」

破壊者の腕が赤く光り、その腕からヒビが入り溶岩が噴き出す。


「焼き尽くしてやれ!」

手の先から勢いよく炎が放たれる。


「その程度!」

テネバイサスが煙を出し、壁を作った。

煙の壁に触れた炎はそのまま煙の中に飲み込まれていく。


「お返しだ!」

紫炎が煙から放出される。


「おお!そういえばそんなのがあったなぁ!ん?丁度良い!」

マドボラは破壊者の手を前に出す。


「フローズンチャージ!!」

破壊者の腕は今度は青白く光り、炎を凍結させた。


砕け散る氷をみてマドボラは高らかに笑う。


「ゲヒッヒッヒッヒッ!!!氷の魔力も変換完了だ!!」


「やっぱりそうか!取り込んだ魔力を使えるのか。めんどうな奴だ」

「なんだか段々あの人の性格変わって来てない?」



「それじゃあ氷、炎、そして光の三種の魔力を組み合わせてぇ!」

マドボラは三種類の魔力を、破壊者の手に集中させる。


「消し飛べェっ!!!」


「させませんよ!!」

破壊者の手からビームが放たれる瞬間、下から巨大な木が生え、破壊者の腕を押し上げた。ビームは大きく空に向かって飛んでいった。


「アギ―ちゃん!」

「無事だったか!」

破壊者の足元にアギ―がいた。


「召喚士!もうこんな所まで来ていたか!!」

マドボラも彼女に気付く。


「だったら貴様ごと!!うっ、なんだ!?」

破壊者の腕を押し上げた木からどんどん根が生え、破壊者の腕全体に広がっていた。


「しまった!早く取り除かねぇと!」


「お二人とも!今のうちにこっちへ!」

木の根を燃やす破壊者。その隙にアギ―の元にテネバイサスとアウレンデントが来る。


「何かアイデアがあるのか?」

「はい!準備お願いします!」


「クソ!うっとおしい植物だ!ひっひっひ!植物は乾燥してないと全然燃えねぇんだな!!だが関係ねぇ!圧倒的なこの力で焼き尽くしてやる!」


より多くの炎を腕から放出する。

彼の意識は完全に腕の植物に向いていた。



「よーし!準備オーケーです!」

「さて、こっちも大丈夫だ」

「あらぁ、面白いわね。ナチュラルなデザインがグッドだわ!」


アギーは植物で大砲を作った。


テネバイサスは煙を出し砲弾のようなものを、その大砲内に設置する。

「煙で光が溢れないように!全力でいけ!」


「思いっきりいくわよー!」

砲弾の中にアウレンデントが入ると、アギ―が大砲に魔力を流した。


大砲はその向きと角度を変更し始める。


「木々の声に従って……ここです!!!」

アギ―がそう言うと勢いよく砲弾が射出。


「ん?なんだ今度は大砲?は!そんなものでこの破壊者マドボラ様に敵うかよ!!舐めるんじゃねぇぞ!!」


破壊者の腕を操作して先程のビームを放とうとするマドボラ。


「遅いわよッ!!」


放たれた砲弾が大爆発を起こした。


中からまるで太陽のような強烈な光が。

例え地平線の向こう側にいたとしても目を覆いたくなる程だった。


「ぐおッ!?目が!?」


目をやられた状態で放ったビームは全く別の方向に飛んで行った。


「ち、チクショウ!闇の魔力!俺様を守れ!!」

闇の煙を放って自身の周囲を防護しようとするマドボラ。


「闇はダーリンが使うから良いのよ!貴方みたいなのに使われたくないわ!!」


光と化したアウレンデント、破壊者の中心にいるマドボラ目掛け飛んで行く。


「があ……あ?!」

次の瞬間マドボラは破壊者の外に。アウレンデントが激突し、そのままの勢いで引き剝がされたのだ。


「これでお終いね」

アウレンデントは近くの山の頂上で、マドボラを放り投げた。


「はぁ、はぁ、これが耀の魔王の力か……ひっひっひ!スゲェな、少しばかり残念だな。この先をこの目で観れないなんてな……」


コアと完全に一体化していた腕足が無い状態のマドボラはそう言って笑う。


「だが魔力の変換は全て終わった……」

「それどういう意味かしら?」


アウレンデントがマドボラを魔力で浮かべて質問する。


するとその背後で、破壊者の身体から5つの巨大なコアが現れ空へと飛んで行った。

先ほど破壊者からマドボラにコアが終結したのと同じ構図だ。


「ひっひっひ、これでお終いとか言ったか?何言ってんだ、テメェ等が幕引きを決められるような立場にいると思うなよ。それを決めるのはあのお方だ。あのお方が全てを終わらせる……ひっひっひ、そうだお前らの中に死体の記憶でもみれる奴がいるなら俺の記憶を見てみるがいいさ。もう何を知ったところで遅い話だ……」


「そう、じゃあ遠慮なく」

彼の胸をレーザーで焼き、アウレンデントはそう言った。



「ただいまー一応これも連れて来たわ」

アウレンデントはアギ―の元に戻る。


「ダーリン、頼めるかしら?」

「ああ、すぐに」


「よお!なんだ、もうこっちも片付いちまったのか」

「そちらも問題なかったようだな」


そこにフラマーラとグレイシモンドがやって来た。


その時、急に空が暗くなる。


「今度は何でしょうか……あ……み、みなさん、あれ……」

アギ―が空に指をさす。


「あの巨大なコアが飛んで行った方向だ。なんだあれは?」

テネバイサスがその光景に驚く。


空中に大きな扉が現れていたのだ。



「はぁ、ようやくこの時が来た。さあ世界よ、死が降り注ぐぞ。我が名はトータナス、死そのものである」


禍々しい扉が、今開かれる。

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