第2話

4月16日(月)

三日坊主にだけはならないように、と書いている。

今日、大学に行ったゼミの先生から呼び出しがあった。

メガネかけて中肉中背っていうのか?平凡な顔をした先生で、名前は、中原良知(なかはらよしとも)、なんだ?とは思ったけど、先生から、俺と同じ症状の奴が先生の知り合いにいるらしくて、今度、会う約束をした。

もう完全に女性として暮らしているらしく、たまに地の男性らしさも垣間見えると先生が言っていた。

写メを見せてもらったが、元々女性だったんじゃないか、っていうくらい、小柄で、ハキハキとした美人さんだった。

「名前は、改名してて、桜木日向子(さくらぎひなこ)というんだよね」

「そうなんですか」

「前は桜木日向(さくらぎひゅうが)だったんだよ」

「あー、なるほど」


そして、寮に帰り、息子を見たら、小指の第一関節くらいになっていて、泣けた。てか、今も泣いてる。


4月17日(火)

意外にも日記を続けて書いている、今日、樹に、「なんか仕草も女の子らしくなってるぜ?」と言われた、全然意識してなかった。

あと、樹の彼女に付き合わされて、下着を購入することになった。

てか、彼女いたんかい。

麻友「つうか、あんたの為に買うんだからあんたも選ぶの手伝いなさい!!」初対面なのに、当りキツくない?

あとさ、ツインテールの女の子はツンデレらしい。

「ふん」と言いつつ、樹に対しては甘々なムードを見せられた俺としては、どう反応すれば良いか分かりません。

あと、オーソドックスな下着、ブラジャーとかパンティとか、「いざというときたくさん必要だから」とたくさん購入した。

さよなら諭吉達。


4月18日(水)

初めてスイーツ系の店行った。

駅から徒歩五分くらいのところにある「スイーツポプリン」って店に行って、待ち合わせた人と会ってきた。

「あら、貴方が、明夫さん?」

「は、はい」

いい匂いがスゴいするし、なんだ、この天使みたいな人?!ってなった。

「本当に進行が遅いんだー」とのほほんと話すのは、中原先生の知り合い、桜木日向子さんだ。

ハキハキとした見た目だが、のほほんとしていた。

「あ、おすすめは、ホットケーキだよ」と言い、店員さんに、ホットケーキ二つ頼んでいた。

「僕はねぇ、あ、明夫くん」

「は、はい」

「月経とか、けっこうショックだから気を付けてね!!」

「ですよね!?」


他愛もない会話のあと、駅に行き電車に乗って寮に帰った。

そして、息子が完全にいなくなった。

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