第14話 えー、しぶとい訳で、あります。

『なんと!!?』『きゃ!!!』

2人は、気付けば腕がなかった。2本とも。

『痛い。し。!息も。。。!!あっ、!』

『これは。。まず。い!』

焔が出した熱風を腕で庇った。それだけで2人は腕を失った。

『貴方は、宵の首を持っていましたね』

『えぁ。。。ごめんな。。さい!!』

『ええ。もちろん許します』

『死んで償っていただければ』

その時焔は笑っていた。正気ではなかった。

『やめっ。。。。!!』

焔が手を振りあげると、ユイの真下から溶岩が湧き出した。

『。。。。。。!!!』

声は出なかった。しかし、悲鳴のようなものも聞こえたように感じた。

『今度は、偽物じゃ無さそうだ』

その時、小さな植物の芽が生えてきた。

『あんた、今こんなのしか出せないの?』

男は喋らなかった。その芽を出すことに必死であった。

『あんたにも死んでもらうよ』

『。。。。』

焔が男に触れると男の体は溶けだした。スライムのように。

『終わった。。。』

『。。。』

『。。。』

暫く焔は意識空間から出ることも無く、何かを考え込んでいた。

『外の世界。。か。。』

『おにい。。ちゃ。』

『!!?煌か!??』

即座に意識空間からでて、煌を探した。

『煌!生きてたのか!?待ってろよ、今すぐ医者に!』

途中まで言いかけた時、煌の腹部は植物の棘に貫かれた。

『。。。え?』

先程、意識空間の中で男が出した芽、あれが焔と共に出てきてしまっていた。そして、男は死ぬ前に既に芽に命令していた。

『気づけな。かった。。。』

煌が声を出すことはもうなかった。

『ごめんな。。こんな兄ちゃんで。。』

焔はどこにもやりようの無い怒りの感情が湧いてきた。その時。

『なっ!??』

体がネジ曲がるような痛みの後、焔は全く見覚えのない世界にいた。

『成功だ!やったぞ!!!!』

『誰だおまえらは。。?』

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