第24話 08時00分

 俺が過去の事を思いつつ歩きながら静かな久梨亜いいな。と思っていると――。


「あっ。ゴウちゃん新しい商品出ている」

「……なんで急に」


 コンビニの前を通過したところで久梨亜が風になびく旗を見ながらそんなことを言ってきたのだった。うん。今までの静かな久梨亜が一瞬で消え。元に戻ったのだった。まあ家のだらだら。駄々っ子久梨亜ではないだけマシか……っか、コンビニの馬鹿野郎である。久梨亜が通過するまで新商品とかいう旗出さないでくれよ。久梨亜が通過したら出していいから。マジで余計な情報を朝の忙しい時間にやめて!


「今は学校向かってるんだろうが」

「買い食い?」

「いきなりだな。一応禁止の事をするな。優等生キャラで」

「大丈夫。みんなしてるから。それに周りに人居ないし」


 久梨亜に言われて周りを見ると――確かに。俺達の会話が聞こえる範囲には人が居ないという。こいつちゃんと周り見てやがる。


「——まあしてるけどよ。学校行く時にいきなりは――だろ。昼飯買うとかならいいだろうが。って今日は始業式だけだよ。早く行くぞ」

「ゴウちゃんちょっとチェックしようよ」

「しなくて良い」

「美味しそうじゃん」

「さようなら。久梨亜」

「あー、見捨てないで。ゴウちゃん待ってよ」


 俺が歩き出すと久梨亜が小走りで追いかけてきた。うん。俺――普通に歩いていた方がいいのかな?そしたら久梨亜が勝手に付いてくるかな?あーでも、こいつ見てないと突然止まるからな――などと俺が思っていると……まだ続いた。

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