第2話切れ痔コロンボ

「いや~、あたしゃぁ~言いたくないんですが、先生が犯人です。こりゃ、自殺じゃない、れっきとした殺人です」

「コロンボ警部、わたしがあなたに処方箋を書いたのは間違いない。ボルタレンを処方したのは事実です」

コロンボは頭を掻きながら、

「何の薬です?」

ブリュヴェール医師は自信を持っていった。

「ボルタレンです」

「先生、それは飲み薬ですか?」

「いいえ、座薬です。だから、早く、熱が引いたでしょう?」

コロンボは周りの刑事と警官に尋ねた。

「君、今の言葉聞いた?」

「はい、聞きました」

「そこの君、今の聞いた?」

「はっ、確かに聞きました」

コロンボ警部はブリュヴェール医師に言った。

「あん時、処方箋を出したのはあんたじゃない!」

「まぁ、どうして言い切れるんでしょ」

「わたしゃあ~ね、痔主でね、イボ痔なんですよ。だから、座薬は使ってない。あたしが、座薬を使う姿は、あんたの頭の中でしかない!」

「ま、まさか、わたしをはめたの?」

「言葉は悪いかも知れませんが、あなたを自供に追い込むにはこれしかなくて」

「いいわ、犯行を認めましょう。幸運の痔主さん」

「さっ、こちらへ」

ブリュヴェールは手錠をかけられ警官に連れられていく途中、コロンボに向けて舌をだした。

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