第9話 空耳?


とある場所で、親子の話。

その日、親は疲れていた。

お見舞いに来てくれた息子に

感謝を感じ、言葉をかけた。

「ありがとう。毎日ゴメンね。」

「いいよ。暇やし来たいから来てるだけやし。」

「家の事、にゃんことか大丈夫?」

「ちゃんとしてるよ。」

「宿題は?」

「…家でする。」

「そう。」

~完~

ここで終わるはずやった。

この会話を、もう1人の親が聞いていた。

そして怒り?注意した。

「それくらいで、そんなんすんなや、

アホかお前。」

「「はっ?」」

"カン"がいい人は、ここでわかるかもしれない。

間違ってんやん、ってツッコミがはいるだろう。

家で(宿題を)する。

家出する。

もう1人の親は、仕事帰りだし

疲れてたんだよ。きっと。

お疲れ様です。

長男 "家でする"

か弱いおかん "早く(宿題)しいや。"と

答えてたら、旦那も勘違いしなかったかも。

まあ、いっか。

月日は流れて、母は退院して

期末懇談の日。

「宿題はしてるって言うですが、

提出物があまり、出来てないんです。

他に関しては、いい子で、色々

助けてくれたり、友達を励ましたり

優しい○○さんなんですよ。」

「……。」

先生にフォローされながらも

宿題を提出してないって

言われた親は、疑心暗鬼になった。

うちのバカ息子は、宿題をしたらしいが、

果たして、本当にしてたんだろうか?

我が子を信じたい親でした。

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