愛の形は人さまざまで、それがまた愛おしい

とある夫婦の看病日誌を思わせる入りから、歪みつつも明確で麗しき愛の囁声。ミステリアスな結末も相まって、これぞ正しく愛に溢れた短編だと言えよう。
個人的な嗜好を述べるならば、より生死を予感させるフレーズが欲しいかとも思索したが、この話にそのような邪念は相応しくない。本作はそれほどの完成度を誇っている。
日記というお題から、このような展開を導き出した作者に喝采を。