創作は楽しいだけじゃないよって、創作者なら皆思うことだよね。

 物語を作る人は、ずっと同じ気持ちで創作を続けることはできません。
 最初の頃は、ただ小説を書いているだけでも楽しかったものです。
 それが、小説を書くスキルが上がったり、読者から評価をされるようになってくると、だんだん自分が楽しいだけの物語では満足できなくなっていきます。
 自分の中では確実に面白いと思っていたはずの作品でも、読者から全く評価されないと、これって本当は面白くなかったのかもしれないと認識が歪められてしまいます。
 経験を積むことでかえって思い悩むことも増えて、初心に帰ろうと思ってもなかなか簡単にはいかず、結局またああでもないこうでもないと悩んでしまいます……。

 小説を書く人であれば、こんな悩みに幾度となく苛まれることでしょう。
 さばりん氏も同様で、抱えている苦しみをこの作品の中で表現しています。
 本作では、過去に書いた作品のヒロインに会うという流れですが……彼女たちに遭遇したら何を言われるかなんて想像するのは、かなり辛いことだろうなと思います。
 続きを書きたいけど、どうしても上手くいかない……。そんな葛藤が現れていて、身につまされる思いでした。

 吹っ切れたつもりになっても、やっぱりまた何度も悩んでしまうことでしょう。
 辛い日々になるかもしれませんが、その日々がまた作品を味わい深くするものだとも思います。
 今後とも、創作を続けてほしいなと、思いました。

(あれ? レビューってこんなんでいいんだっけ? ただの感想? ・・・ま、いっか)