木の温かみは、陽を浴びた時間だけ濃くなってゆく☆

タイトルの中に「想い出が生まれ変わる場所」という一文がある。想い出はよみがえるものだというイメージが強い。しかし、よみがえった後の気持ちの整理までは面倒を見てくれない。
滝川木工店の店主は、得意とする木工の技術と矜持を以って、壊れた木製品のレストアや廃材となりかけた木製品を別のものに変えることで、そこに込められた持ち主の想いも変えていた。請け負った依頼に対する最高のアフターケアが、依頼人の数だけ存在し、それら全てに手抜きが無い。こういう木工店に、愛宕も何か依頼してみたいと思わせる魅力が、作者さまの筆から溢れていた。

人それぞれ、思い出したくない過去や想い出の一つくらいはあると思う。それを思い出さないのが最善かもしれないが、改めて向き合い、それを糧に新たな一歩を踏み出す方が、豊かな人生を送れるのではないか……そんなメッセージを投げかけてくれているような気がした。

読めば、気持ちが温かくなる作品です☆

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