第10話 ギリシャと言えば「クレタ島の秘密」(旅行)


 私は小さな頃からずっと、ギリシャという国に憧れていた。


 二回目の一人旅にギリシャを選んだのは、例によって一緒に行ってくれる人がいなかっただけで、別に一人旅がしたかった訳じゃない(´;ω;`)


 小学生の頃、私は図書館で見つけた「クレタ島の秘密」という本に夢中になった。

 考古学にハマっていた高学年の頃、たかしよいちという著者が書いた考古学系の物語をたくさん読んでいたのだが、この「クレタ島の秘密」は同じ著者でありながら一味違った児童文学だった気がする(あまり覚えていないけど💦)


 うろ覚えの内容は、アテネに住む子供(確か日本人だった気がする)が古い硬貨(?)を拾った事から沈没船のお宝をめぐる騒動に巻き込まれ、誘拐されそうになったりする話だったと思う。

 海洋考古学を織り交ぜたサスペンス調の児童文学だ。


 子供の頃の想いは大人になっても残るもので、私はギリシャに旅立つにあたって、首都アテネと、クレタ島、サントリーニ島の三ヶ所に的を絞った。

 一度目のイスタンブールとは違い、二度目の一人旅は最初から移動前提にしたのだが、冬のギリシャは雨が多く、海も荒れて船も飛行機も簡単に欠航するという。


 私が購入した格安チケットは、成田夜発のアテネ到着が午前の便だ。到着次第アテネにある日本の旅行会社へ行き、国内線の手配を頼むことにして、私は仕事帰りに成田へ直行し、そのままギリシャへと旅立った。


 アテネの空港に到着した私は、帰国便のリコンファームと換金を終えると、バスに乗ってアテネの中心地(?)シンタグマ広場へ向かった。この近くに旅行会社があるのだ。

 ビルの二階にあったその旅行会社のアテネ支店はとっても怪しい雰囲気だった(笑)が、腐っても日本の旅行会社だ。ひとりだけ日本人がいてくれた。


 私は早速、「明日クレタ島に日帰り」「明後日から一泊二日でサントリーニ島」へ行きたいと言って、飛行機のチケットをお願いしてみた。かなりいきなりなリクエストだったと思うが、運よくどちらもとれて、ついでにアテネのホテルも紹介してもらった。


 ホテルはシンタグマ広場からは遠かったけれど、プラカ地区を横断したアクロポリスの反対側にある、値段の割にきれいで広いバルコニーまである素敵なホテルだった。


 ホテルに着いたのが2時頃で、私のお腹は空腹を訴えていた。会社で3時のおやつに貰ったお饅頭をカバンの中に見つけた私は、それを食べて街に繰り出した。

 連休に有休をつなげてとった一週間の休みだ。有効に使わねばなるまい。


 アドリアヌス門とゼウス神殿を見た後、シンタグマ広場の近くにある国会議事堂へ向かう。ここではバッキンガム宮殿さながらの動かぬ兵隊さんが見られた。


 マクドナルドで遅い昼食(早めの夕飯?)を取った後、プラカ地区という迷路のような古い町並みとお土産屋さんをふらふらしながらホテルへと戻った。

 明日はクレタ島日帰りである。寝坊は出来ない!  


                            つづくのだ!

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