第3話

『転生名前はシェルファ・L・フォルダニア(女)、転生種族はエルフ、転生日は聖龍歴49900年12月24日、転生先はソルディア・カオスティック・マジフィニクッスにあるフォルダニアの森、転生特典は召喚魔法の極み、プレゼントは医学書全般』


「うっしゃー!」

何だか前の方で、ドスの利いたオッサンの嬉しそうな声と同時に異世界に転生したぞ。

そんなにエルフに転生したかったのか…?と俺は思った。

確かにファンタジー系のエルフってさ?

すっげー美男美女が多いもんな。

何となくだ。気持ちは分かる気がする。何となくだけどな。

ただな…一言言いたい。

ドスの利いた声のオッサンがさ?

美少女っぽい感じのエルフに転生って…違和感だよなぁ。

それにしても、ホント…まだまだ先が長いなぁ。

最後に並ぶからだよな。きっと。

昔から俺は、長蛇の列に並ぶのは苦手だったんだ。

だから、自然と並ぶのは、最後だった。

でもな?今回は転生だぜ?転生希望者には、既に3つのお得な特典付きと来た。

通常の列とは違うんだよ。今回はね。



そうしている間に亜種族の転生者は、異世界であるその…だ。

ソルディア・カオスティック・マジフィニクッスに転生だ。

こうさ?

何度も聞いていたら、流石に頭の悪い俺でも覚えるよ。

とはいうものの、異世界って他にもあるじゃん?

何たって生まれる時期は異なるが、同じ世界なんだ?

いやいや、最初の日本とソルディア・カオスティック・マジフィニクッスだけだ。

その内、別の世界もあったりして…多分。

それにしても、まだいるのかよ。

あの石とか草って…。

それ処か木の枝っぽいのもいるぞ。

一体、あいつらって………?

いやいや。人(?) のプライバシーに突っ込むべきではないな。



『転生名前はその辺にありふれた所に転がっている石、転生種族は魔石、転生日は聖龍暦49975年5月22日、転生先はソルディア・カオスティック・マジフィニクッスにあるリベルダ領、転生特典は次回も魔石に転生、プレゼントは特になし』


「また×10………石かよーーーーーーーーー!!!!!!!」

という嘆きの叫び声と共にキチンと次回も魔石に転生というお約束の下、異世界へと転生を果たしたのである。

いやいや、本当にご愁傷様です。

流石にコレにはプレゼントは無いようだ。

どうやって石にプレゼントしろって話だよな。俺でも浮かばないわ。

で、案の上だ。

その辺の草も木の枝もさ?

石同様の嘆きの声と共に転生していった。

でもさ?タダの石とかじゃなくていいじゃん?って思うよ。

魔石とか魔草とかそれにさ?

魔枝という頭文字に『魔』が付いた、普通の物質じゃないんだし?

異世界ではありふれた物質かも知れないけど、日本では絶対に手に入らないからな?

そう嘆くなよって思ったのである。

物質は物質なりに何かに使って貰えるってことだよな。

…………多分だけど。としか言いようが無かったのである。



その俺が今後の生活の中で、使用することになるということは、今の俺には分からないことであった。



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