転生少女、元気に生きる!〜リメイクバージョン〜

千矢

第1章 転生編

第1話 少女は生まれ変わる

私は生まれつき身体が弱い、もう長くは生きられないと言われて1年、ついに私の身体は限界を迎えた


ピッピッピ


自分の心肺を鳴らす機械の音が聞こえる


もう人工呼吸器がないと息もできない


「紫織!紫織!」


私の手を握りお母さんの声が私を呼んでいる


もう自分でも分かる、自分の命はもう尽きると


言わなきゃ、お母さんに、最後に


「おかあ、さん、私を、育ててくれて、あり、がとう…」


神様、もし生まれ変われるなら次は元気で健康な身体に生まれ変わらせてください…


ピーーーーーーー


「紫織?紫織!」


・・・


・・



「…ここどこ?」


辺り一面真っ暗、でもなんか明るい?


ずっと身体が重くて辛かったのに今は凄く軽い


「どーも、どーも紫織ちゃん」


いきなり目の前に現れた女の子、めっちゃびっくりした


なんか神様みたいに神々しい光が女の子から放っている


「えっと、ここはあの世?なの?」


「お、察しが良いねー、でもちょっと違うかなー」


「?」


「ここはこの世とあの世の間らへんにあるんだよ、ここで来世を決めるんだよね、ちなみに私はここの管理人エヴァンテだよ、気軽にエヴァちゃんって呼んでね!」


ジャーンみたいな演出が入りそうなくらい堂々とした自己紹介?私はずっと入院していたから学校もほとんど行ってなかったし自己紹介なんてしたことないなぁ


「じゃあ、エヴァちゃん?来世を決めるってことは私はあの世にはいかないの?」


「お、良い質問だねー!実はあの世に行くのは寿命で死んだ人か悪人だけなんだよー」


「そうなんだ」


今まで事故や病気で死んだ人たちもあの世は行ってないんだね


「そこで紫織ちゃんには二つの道を選んで貰います!」


そう言ったエヴァちゃんは私に二つのカードを渡してきた


一つ目には


記憶を消してもう一度地球に生まれ変わる


二つ目には


記憶を持ったまま別世界に生まれ変わる


「二つ目はいわゆる転生ってやつだよ!あっ紫織ちゃんには難しい話だった?」


「ううん、私入院中暇でゲームとかアニメとか漫画とかいろいろ観てたから分かるよ」


「それでどっちか決めた?時間はたっぷりあるからどんどん悩んでね」


私は迷わず二枚目の方を選んだ


「別世界の方ねー、ちなみになんで選んだのか聞いて良い?」


「私、夢があったの、生きていた頃の夢、世界中を旅すること、お母さんも叶うと良いねって言ってて、でも記憶が無くなったらその夢も忘れちゃうから、別世界でも良い、まだ夢を叶えられるなら叶えたい!」


「うんうん!良い夢だね!じゃあ、転生させるね!何か最後に望みはある?」


私は少し考え、こう答えた


「生まれ変わったら健康で丈夫な身体がいいです!」


私は力強く叫んだ


「はい、分かりました!エヴァンテその望み叶えます!」


ピカーと目の前が光り、意識が遠のいでいく


そして気がつくと森の中にいた


「え?」


生まれ変わるって聞いたからもしかしたら赤ん坊になるのかと思って覚悟していたのに、身体はほとんど前世と変わらな…


「何…頭とお尻に違和感が…?」


恐る恐る頭を触ってみる、お母さんに遺伝したのか生まれつきの茶髪、入院中前髪しか切る事が無かったのでとても長く腰ほどまである


それまでは前世と同じ、でも何かもふもふとしたそういうならば猫耳みたいなものが…


そして振り向くと自分のお尻に尻尾が生えていた


「キャーーーーーー!」


これ猫の尻尾?!なんで私のお尻についてるの?!


「なにこれ?なにこれ!どうなってるの?!エヴァちゃん?!もう誰か説明してー!!!」


「はぁ、はぁ」


そういえばこんなに叫んだのは初めてだ、今までは少し大きい声で喋るだけで咳き込んでたもん


パサッ


「何、これ?手紙?」


元紫織ちゃんへと書かれた手紙が頭の上から降ってきた


「エヴァちゃんからかな?とりあえず読もう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


元紫織ちゃんへ


これを読んでるってことは上手く生まれ変われたのかな?実は本当は転生って赤ん坊からなんだよねー。でも紫織ちゃん良い子だから特別に元の姿をベースにこの世界風に生まれ変わらせちゃった!あっちなみに紫織ちゃんは獣人族ね。ベースは猫。人間もいるから人間のままでも良かったけど紫織ちゃんは可愛いからねーケモミミ付けたらさらに可愛いよねー。ちゃんと健康で丈夫な身体にしといたからちょっとやそっとでは疲れないよー!じゃあ必要なものはこの手紙を読んだら目の前に袋が現れるはずだからその中に入れとくね!ちなみに読み終わったら手紙は消滅するからね!じゃー二度目の人生楽しんで!あっ名前はカタカナで好きな名前にして良いよー


エヴァンテより


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「エヴァちゃんらしい手紙…でも猫耳は余計…」


まあ元気に動ければいいや


ピクピクと猫耳や尻尾を動かしてみる、凄い違和感…でも何故かしっくりくる


「えっとこれが必要なもの?かな」


小さめの袋が目の前に現れて中を見ると沢山何かが入っている


「お金っぽいメダルがいっぱい入った巾着と服に下着に身分証?みたいなの、あと食べ物いっぱい!」


「小さい袋なのにこんなに入るものなの?」


パサッとまた手紙が落ちてきた、開いて見ると


魔法の袋だよー


と書いてある


「もしかしてどこかで私のこと見てる?」


手紙は落ちて来なかった

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