第25話 再会と進展と??
あのあと、始業式は滞りなく終わり生徒たちも教室への移動を開始したようだ。
俺は、舞台裏まで迎えに来てくれた担任の先生に連れられ今日から通うことになるクラスへと案内される事になった。友梨さんは俺がクラスにいる間は理事長室で秘書の業務を行うようだ。
担任の先生は面接の時に顔を合わせたことのある先生だった。それもそのはずで、あの時の面接官は全員2年担当の教員だったからだ。
先生は、浅黒い肌に赤いジャージを着ており如何にも体育教師という見た目をしていた。
「いや~まさかアタシが君の担任になるなんてなー。アタシは
俺はあの面接の時のことが忘れられずに、ちょっと警戒してしまう。
「あ〜、まだ警戒してるのは、あの面接の時のことだよな〜。いやぁあん時は悪かったね。こっちも婚活真っ只中だからさ〜つい未婚って聞こえたら反応しちまったんだよ。まぁ、もう君はアタシのクラスの生徒になったからね、そういう目では見ることは無いから安心しな!な!」
俺が警戒しているのを察してあの面接の時のことを謝ってくれる。確かにあの寒気のするような感じはなくなっていたので、あの時のことは水に流すことにした。
「さて、そろそろアタシのクラスに行こうか。始業式の間に君の席を用意ておいたから生徒たちももう察してるだろうし、転校生みたいに廊下で待つ必要はないから教室に着いたらアタシに続いて入ってきてくれよ。」
「わかりました。あの、そういえば2-Aには男子は他に何人いるんですか?」
「君を含めて3人だな。本当はAクラスから順に2人ずつ男子生徒が入ることになっているんだけど、今回は特例で理事長直々にAクラスに君をいれてほしいって要望があったみたいだぞ。」
ほ~あと2人男子がいるのか。数少ない男子として、出来れば仲良くしたいなぁ〜
てか、理事長先生直々にAクラスにしたって、なんでそんなことを…?別に、男子の足りないクラスでも良かったんじゃないか?
「御門〜?クラスに着いたぞ。さっきホールで挨拶はして貰ったけど中に入ったら、軽く同じように頼むよ。」
理事長先生がなぜAクラスに入れようとしたのか考えているとクラスの前まで着いていたようだ。
最近考え込んで気づいたらってパターン多いな…気をつけないと。俺は再度気を引き締め、先生に続いて中に入った。
「う〜し。お前らー!もう察してると思うが、さっきの挨拶してたイケメン連れてきたぞ〜!」
お〜と拍手で迎えられ、俺はどもどもとペコペコしながら教壇の横に立った。すると窓際の一番前の席に座る六花さんをみつけたので軽く手を振っておく。
「なんと今年は2-Aに男子が3人所属することになった。そして、1年からほとんどメンバーが変わることなく進級してくれたこと大変嬉しく思う!女子たちは引き続き彼らと同じクラスになれるよう頑張ってくれ!それじゃ、改めて自己紹介をしてくれ!」
「はい。始業式の時に挨拶はしましたが、改めて、御門悠です。今まで学校に通っていなかったので世間知らずかもしれませんが、いろいろと教えてくれると嬉しいです。これからよろしくお願いします。」
挨拶をし終わるとパチパチと拍手が鳴り、みな歓迎してくれているようだった。
「それじゃぁ、御門は後ろの空いてる席に座ってくれ。隣は夕立っていう去年もクラス委員長をしてくれていた奴だからいろいろと聞くといい。」
「わかりました。」
俺は後ろの席まで行って座ると、夕立さんの方を向いて話しかけた。
「やっほ。隣が夕立さんなんてラッキーだね。これからよろしくね。」
「は、はい!こちらこそ末永くよろしくお願いします!!」
なんだかニュアンスの違う言葉が聞こえたけど、たぶんすぐ席替えあるよ。と心の中でツッコんでおいた。
そのあとは先生から明日の予定やこれからのことの話を聞いて、今日は解散となった。
帰るために友梨さんに連絡を済ませると俺たちのところに六花さんがやってきたので、友梨さんがくるまで3人で話すことにした。
「ちょっとちょっと、御門くん~。いきなり編入してくるなんて聞いてへんよ~。うちめっちゃびっくりしたわ~!」
「そうですよ!編入してくるなら一言仰って下されば心構えができたのですが…。いきなり御門さんが壇上にあがったときには驚きましたよ!」
「あはは。ごめんごめん。俺もREENで報告したかったんだけど、理事長先生に止められててね。でも六花さんと夕立さんと同じクラスになれたのはびっくりしたよ。」
実は面談のあとにどこから漏れるかわからないからと、編入することは誰にも言わないように、口封じされていたのだ。
でもA~Gクラスまであって、まさか二人と同じクラスになれるなんてな。これからはもっと親睦を深められるといいな。
そんなことを考えていると、六花さんがとある提案をしてくれる。
「もし御門くんがよければなんやけど、うちのことは呼び捨てで呼んでくれへんかな?さん付けやとなんかむずがゆいんよ。それに同い年やしこれからはクラスメイトやろ?」
「あ、あの!私も美織と、そうお呼びください!!」
「ほんと?じゃあ六花と美織って呼ぶね。俺のことも悠でいいよ。」
「そ、それは!その、恥ずかしいから徐々に呼べるようにしていくわ…」
「わ、私は悠さんと呼ばせていただきますね!」
「えぇ!?みおちんだけずるいわ!う~、うちも悠って呼ぶもん!!」
「あ、あはは。まぁまぁ、これからもよろしくね、六花。美織。」
「うん!よろしく悠!」
「はい!よろしくお願いします!悠さん!」
そんな俺たちのやり取りを教室の外から恨めしそうに見つめていた一人の男に、俺は気づいていなかった。
「クソっ。なんであんな男がいいんだよ美織のやつ…。」
☆あとがき☆
六花&美織と無事同じクラスに!
最後に出てきた男は一体何者なのか…まさか、あの孤独なシルエットは!?てほど重要キャラでもありません。ネタバレじゃないよ!
ちなみに作者は六花推しです。
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