夜と昼と

 夜と昼と


キミには身に覚え

もしかして足りないの

夜と昼と

眠りながら旅している


ママにも経験があるよ

自分では分からなかった

夜と昼とを真逆へと

汽車に乗って旅した


キミの不調は

夜と昼との間

朝が激しい

どうしてだろう


掻きむしり

お腹を壊し

頭が痛くなり

声を荒げる


その矛先は誰

クソジジイとは


最大の謎だった

兄かと勘違いか

上から目線の

雄が強い学校の担任か


心がドーナッツ

スカッと風が抜ける


キミは夜を旅する

昼を恐れ

私の傍でも泣き崩れる

夜汽車の定期しか持たない


ママはキミを抱く

長くなった髪

追い越した背

絵具の香がする服


こんなにも

穴だらけになって

あんなには

はしゃげなくて


キミの自由は

夜が食べてしまった

睡魔は昼に包み込む


影踏みのような

階段がキツイ

もうバレエを踊れない

食べられないから


逢魔が時が襲い掛かる

キミはひとの目を避けて歩け

皆が囁く

人波が青く黄昏て


大きめのセーラー服が

似合っていた

一ミリ伸びるだけで

ママは喜んで手帳につけた


青春の微熱を

キミの抜け殻にしたい


夜汽車でもいい

キミの明るい笑顔を

待たせてください


愛しているから


 いすみ 静江✿

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