追放勇者マリー・プライドッ!! 戦闘が出来ないお荷物と追放され、キャリアを雑用ロボに奪われたが、努力した結果美少女ハーレムに囲まれて幸せです。 だから今更戻って来いと言われてももう遅いわッッ!!

kahn

第一話 追放ですわッッ!!

「バリー・アフリーッ!! あなたは今を持って、パーティーから追放しますわッッ!!」




 ドヤ顔でそう宣告するのは、まだあどけなさの残った人形のような顔立ちをした勇者マリー・プライド。


それに加えて、身長も少女と見まごう程、小柄な体格をしていた。


圧倒的ッ! 合法ロリであるッッ!!




「突然だね……」




「当然ですわッ! わたくしが今決めましたものッッ!!」




 追放を言い渡されたバリー・アフリーと呼ばれた彼は、見るからに地味で冴えない青年だった。


目元も前髪で隠れており、THE☆ギャルゲ主人公と言った風貌であるッ!




「一体どうして、俺が追放されなきゃいけないんだ?」




「それは勿論、あなたが家事、洗濯、料理、掃除、荷物持ち、索敵、補助魔法、鑑定、勘定、修理、調合、交渉、翻訳しかできないのに、戦闘はわたくし頼りのお荷物じゃないですのッッ!!」




「確かに俺は家事、洗濯、料理、掃除、荷物持ち、索敵、補助魔法、鑑定、勘定、修理、調合、交渉、翻訳しかできないが、いくら何でも突然すぎるだろう!?」




「黙らっしゃいッッ!! すでにこれは決定事項ですのよッッ!!」




 しかし、まだまだ食い下がるバリー・アフリーッッ!!




「俺が居なくなった分の穴埋めは一体どうするんだ!? お前一人で生活できんのか!?」




「そこは問題ありませんわッ!」




 マリー・プライドが指パッチンをすると、どこからともなく円柱状の物体がぬるりと現れたッ!




「家事、雑用、何デモ、ゴ奉仕シマス」




「何だ!? そいつは!?」




 マリー・プライドが不敵なドヤ顔を見せると、自慢げに解説し始めたッ!




「これは万能お手伝いロボ、『ザツムトロン』ですわッ! 洗濯、料理、掃除など基本的な雑務は勿論、高馬力による圧倒的積載量ッ! 高性能レーダーによる半径13キロメートルの索敵も可能とし、更に高位エンチャンターの魔法をインプットしていて、状況に合わせて補助魔法もしてくれ、高性能スキャナーも内蔵しており、瞬時にアイテムのスキャンもこなしてくれる上に、お金の計算もラクラクッ! 装備品の修理も修復率98%以上と信頼性も抜群ッ! 更に極めつけは、ウロボロス社渾身の調合システムッッ!! 複数のアイテムを投入する事で、用途に合わせた的確な調合を瞬時に分析してくれますわッ! そして、ゴーグレ社が提供する様々な国籍、種族の言語を的確に翻訳してくれる高精度翻訳システムも付いて、なんとお値段ッ! 

598万ゴールドッッ!!」




「なんか財布の中身がごっそり減っていると思ったら、そんなもの買っていたのか!?」




「そうですわッ! タダ飯食らいのあなたと違って、このザツムトロンはマナポーション12本で24時間稼働し続けますのよッ! とってもエコですわッ! おーっほほほッッ!!」




「家事、雑用、何デモ、ゴ奉仕シマス」




「クソ!! 俺はこんな円柱状の物体より価値が無いって言うのか……!!」




 悔しさで顔を歪める、バリー・アフリーッ!




「そういうワケで、あなたはお払い箱ですわッ! さっさと荷物を纏めて、故郷に帰るのですわねッ! あなたにも家族がいるでしょうッ? おーっほほほッッ!!」




どこぞの米国空軍少佐のようなセリフを投げかけ、バリー・アフリーを煽る勇者マリー・プライドッ!




「幼馴染という腐れ縁で、一緒にここまでやってきたが、それもここまでだな…… 上等だ、お前みたいなクソ勇者、俺から願い下げだ!!」




「負け犬の戯言が心地よいですわッ! おーっほほほッッ!!」




「じゃあ、俺の荷物は回収するぞ」




 そう言うと、バリー・アフリーの手元にブラックホールのような球体が現れ、なんと部屋中の物品を吸い込んでいったッ!


世界に一握りの者しか使えない亜空間インベントリであるッ!


そして部屋にはバリー・アフリーとマリー・プライド、ザツムトロンの3人しか残らなかったのであるッ!


圧倒的殺風景ッッ!!




「じゃあな、達者でな……」




 そして部屋を去ろうとするバリー・アフリー……




「あぁ、あとそんな周りの人間を疎かにするような奴は、近いうちに没落するぞ」




 部屋を後にした彼が残した捨て台詞は、幼馴染に対する最後のお節介だったかもしれない……ッ!




「没落? あり得ませんわッ! 何故ならわたくしはサイキョーの勇者ですのよッッ!! おーっほほほッッ!!」




「家事、雑用、何デモ、ゴ奉仕シマス」




 そう言って誰も居なくなった部屋でドヤ顔を披露する圧倒的傲岸不遜なマリー・プライドッ!


彼女が没落する日は近いッッ!!




 圧倒的ざまぁ展開を乞うご期待ッッ!!

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