その少女は、新世界の神である

酒魅シュカ

プロローグ はじまりの日

 空の上だ。ひどく高い場所だった。

 一組の男女が向かい合っている。

 遥か足元には雲海が広がっている。その切れ目から、大地が燃えているのが見える。

 地の果てまでを覆うのは、溶岩だろうか。地獄のような光景だ。

 二人の表情は険しい。

 誰だろう。顔まではわからない。解像度の低い画像のように、全体的にぼやけてしまっている。

 なぜ、人が浮いているのだろうか。

 そうか。現実ではない。

 夢か、記憶か、幻覚か。

 男が何かを言う。

 女が顔を綻ばせる。

 二人は決意したように手を取る。

 そして、二人が何かを言いかけたとき、ヒカルは意識を取り戻した。

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