△アニメ成分6

 今クールの作品も続々と終わりを迎えています。

 当初は10以上のタイトルを同時視聴し始めましたが、完結まで追える作品は少なくなります。これは作品の完成度というより、完全に合うか合わないかという判定になるのだと思います。

 合う中でも、最高! から、まあ完走しとこう、といった数段階があります。

 とにもかくにも、翌週が楽しみになる作品に出合えると嬉しいですね。

 今回は、2023年春作品の中で、自分にとって“合った”作品をご紹介いたします。



『江戸前エルフ』

 事前チェックはしていませんでしたが、ネットで高評価だったこともあり途中参戦。すぐに引き込まれました。

 設定、キャラ立ち、エピソード、江戸の小話などなど、東京という舞台の中でノスタルジーを感じさせ、時の流れを上手く小道具にして、大切なものや絆などを表現しています。

 基本はコメディなのですが、さりげない表情やセリフなどに涙腺を潤ませる仕込みがあり、何ともいえない悲しみと切なさに包み込まれます。

 自分の人生と照らし合わせて、変化するもの、不変なもの、考えてしまうのです。


 こちら公式には明言されておりませんが、モデルになったと言われている神社があり、先日、そこにお参りに行ってきました。

 最寄りは、勝鬨橋や築地市場跡地など東京の歴史を感じる風景が広がっています。

 近所には『3月のライオン』の舞台もあり、中央区のあの辺は個人的にとても大好きなエリアだったりします。



『水星の魔女』

 厳密に言うと春クールの作品ではないのですが、終わりのタイミングなので。


 本作、なんだかんだ言っても、さすがだなぁと感嘆します。

 一時は若干のグダグダ感もあり、どうなることかと思いましたが、次回への引きであったり燃える構成というのは見事です。多少は炎上商法的な演出は気になるところですが、伏線や違和感の収束によって、真摯に向き合って作っていると感じられました。

 関連プラモもずいぶん手に入りやすくなり、久しぶりにたくさんのHGを作らせていただきました。

 積プラもまだまだたくさんあるので、これから余韻に浸りながらのんびり作ろうと思います。



『推しの子』

 原作でリタイアしていたのですが、アニメで復活しました。

 動きがある、声がある、音楽がある、演出がある、とアニメの付加効果というものは計り知れないのですが、これらのバランスが崩れると不協和音が鳴り響き、ファンから総スカンを食らってしまう諸刃の剣。

 恐ろしいのは、豪華声優陣を使用していてもシナリオと演出で台無しにする作品でしょうか、声優に罪はないのに、アンチが生まれるという理不尽な世界。

 

 本作はとにかく主題歌が強かった。「アイドル」のビルボードランキング推移を見ても分かるように、とにかく導線としての主題歌がSSR。

 その上で、戦闘もなければ冒険やアクションもない群像劇のような題材に、アニメの演出がとてもはまっている。凄みのある演出、背中がゾクゾクするようなシーンの作り方は群を抜いています。

 物語自体はファンタジーなので、芸能界の真実に迫る! 的な視点で見ると大変な勘違いに陥るので注意が必要です(笑)

 何度も言いますが、この作品のジャンルは現代ファンタジー(個人の意見)です。



『君は放課後インソムニア』

 以前、マンガ成分でもご紹介した作品でございます。

 こちらは逆に、アニメにしたことで何ともいえない間延び感といいますか、コマ割りが機能していないとか、原作で感じた心の動きをアニメでは感じられないという不思議な感覚を味わっております。

 声も動きも実に良いのですが、なんか普通の恋愛物語に落ち着いているような気がするのです。

 もっとも、原作でも普通の恋愛ものには違いないのですが、ふとした瞬間に遠くや夜空を見たくなる感傷はアニメでは浮かんでこないのですねぇ。

 まあ原作がそれだけ不穏な感じを引きずっているから、といえばそれまでなんですが……。どの終わり方をするかによって評価が180°変化する、そんな予感があるのです。



『事情を知らない転校生がグイグイくる』

 小原好美さんにつられて視聴開始。

 小学生の素直さや残酷さが随所に溢れていて、高田君の解釈が笑いどころなのかもしれませんが、これをハートフルとして見るのは抵抗がありますね。

 きっかけは“死神”でも仕方ないのですが、それをずっと引きずるのはどうなんだろう? 毎回毎回その件って必要なのだろうか? と辛い気持ちが勝ってしまうのですね。

 これ、親御さんの目線で見ると、ちょっと笑えない話だと思うのです。

 高田君も、西村さんのお母さんの事情を知ってからも“死神”エピソードを許容するのはいかがなものかと思うし、周りの友人や教師がもっと介入すべきと思う。

 というマジレスするくらい作品自体は好きな部類に入るので、ちょっと辛辣な意見も述べてみました。



『スキップとローファー』

 これはほんとハートフルという感じですね。

 設定自体はありそうでなさそうな、リアリティがあるかと思えば、物語だよな~と我に返らせる感じもあるのですが、主役の美津未ちゃんの性格や動き方が単純に好感度が高いのだと思うのです。

 ただ、流行りなのでしょうか? ルッキズムを過度に気にし過ぎているのではと思える人物描写はいろいろと考えてしまいますね。

 そうそう、OPが最高だったりします。

 特に美津未ちゃんと志摩くんのダンス! 見てるだけで涙腺が緩むという謎な動画です。このOPだけでも見る価値がある。



『鬼滅の刃 刀鍛冶の里』

 それなりに面白かったです。

 ていうか、これから先のクライマックスに向けて、どんな構成でアニメ化するのか期待と不安が……まさか、アニオリてんこ盛りにしないよね? ね?






 さてさて以下、視聴してみたけど完走できなかった作品に一言コメントを添えて。


『異世界でチート能力を手にした……(以下略)』8話まで。

 え、これギャグアニメですよね? もしくは“なろうファン”に対するアイロニー?


『転生貴族の異世界冒険録』7話まで。

 原作は辛うじて読めたのですが、アニメにすると見てて辛くなる(笑)


『山田くんとLV999の恋をする』7話まで。

 ご都合主義とはいいませんが、感情移入先がなく没入できなかったのです。


『おとなりに銀河』2話まで。

 特に無し。


『勇者が死んだ!』1話まで。

 特に無し。


『久保さんは僕を許さない』5話まで。

 声優陣は大好きなのですが……。


『デッドマウント・デスプレイ』8話まで。

 終盤までは行けたのですが……。


『この素晴らしい世界に爆焔を!』1話まで。

 “このすば”の世界観が合わないのかなぁ。


『神無き世界のカミサマ活動』8話まで。

 声優陣が豪華なんですよね。なんとなく狂気が中途半端な印象でした。


『カワイスギクライシス』1話まで。

 設定が出オチ感たっぷりで……頭を空っぽにして見ればよいのでしょうが。


『青のオーケストラ』8話まで。

 原作も持っていますが、中盤の中だるみというか迷走感というか、誰が主役なのか分からなくなるのは、この尺では致命的かと。


『私の百合はお仕事です!』1話まで。

 特に無し。


『ワールドダイスター』1話まで。

 特に無し。


『贄姫と獣の王』3話まで。

 特に無し。


『マッシュル-MASHLE-』絶賛視聴中!

 現在5話、毎回オチが読めるけど単純に面白い。


 以上、春アニメの感想でした。

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