第11話 初依頼で報告したらとんでもない事になった

ミーケとマールのご両親がヨート特性万能薬を飲んで元気になり、ミーケ&マールはご両親に抱き着いて泣いていた。

それをみた俺はミーケ家族に話をする。


「ミーケさんのご家族全員に提案があります。ガメッツ商会を潰しませんか? 良い方法がありますよ?」


『ガメッツ商会を潰す? そんな方法があるのですか?』


「ありますよ?」


『その方法は?』


「この『子猫亭』をもっとザクソンで一番の宿にするのです」


『『『『出来るわけねえ!』』』』

俺が言った提案に全員が一斉にツッコミをする。

何でそんなに言うのだ?


「今の子猫亭の状況を何とかしないとこのままでは子猫亭が潰れますよ?」


『でも予算が...資金がないから....出来ないよお』


「だから、冒険者ギルドで依頼をするのです『子猫亭をリニューアルするお手伝い』で報酬は...宿代半年無料で。俺を指名依頼して欲しいのだ!」


つまり、ミーケさん家族が冒険者ギルドで俺を指名依頼する事。

それが一番確実だと俺は思ったのだがミーケの父親であるミケールが疑問に思ったのか俺に確認をしてきた。


『ユートさん。指名依頼かけるのに必要な事はわかります?』


「分かりません」


『それじゃあ聞きますが、ユートさんの冒険者ランクは?』


「今日登録したので冒険者ランクはFです」


『『『『この人、やっぱりバカじゃあんか!』』』


その場にいた全員が諦め顔になってしまい、俺をバカと言うのだ。

失礼の奴らだ!


「なんでバカなんだ!」


『ユート君.....君は冒険者規則を読んでいるの?』


「読んでいるが、この説明書を見て」

俺は冒険者ギルドの入会説明書をミケールさんに見せると溜息をしたミケールさんが呆れた顔で話した。


『やっぱり...この説明書....欠陥だらけだったなあ......。ユート君、実は指名依頼は冒険者ランクD以上でないと受けらえないんだよ? 入会説明書の最後のページの....ここの所に....書いているから』


なんだと!

指名依頼を受けれるレベルはDランク????

ミケールさんが指した所を読んで見ると確かに書いてあった。

俺の一生の不覚!


「そうだったのか.....ランクを上げるのにポイントを稼がないと行けないのか?」


『そうなりますよ? 普通FからDまで上げる期間は....約1年か2年かかります....なので、ユートさん、諦めて下さい。後残り3か月、私達が頑張っていけば』


「今の状況で?」


『『『『.......』』』』

黙り込むミケール一家。


「それなら一週間下さい、Dランク以上の冒険者を集めますから」


『わかりました....期待はしません』


その後、俺はギルドに向い、受付嬢に尋ねた。


「すいません! Fランクが受けれる依頼はありますか?」


『あるにはあるけど.....この街の清掃しかないわ』

本当にFランクではキツイのかな?

待てよ.....確か常時依頼はランク関係なかった気がするなあ。

ちょっと聞いてみよう。


「常時依頼掲示板に張っている『薬草採取』は?」


『それなら受けますよ? 森の入り口付近ならFランクの方にも受けれますわ』


「それじゃあ、その『薬草採取』を受けます。種類は?」


『え~と、回復草が20束、魔力草が10束。これが最低ラインで、取って来た数で報酬が変わるわ。ちなみに回復草20束ごとで報酬が銀貨1枚、魔力草10束ごとで報酬が銀貨2枚。取る回数が決まっているよ? 回復草なら』100束まで、魔力草なら60束までが決まりになっているから』


「薬草採取している間、魔物が来て倒した場合はカウントに入るの?」


『カウントには入るわ....ちょっと待ってて。確かゴブリン1匹だと銅貨1枚。ボアだと銅貨50枚...入り口ならこの辺ね』


「ありがとうございます」

俺は受付嬢にニヤっと笑顔で答えた。


ギルドを出る時に受付嬢の言葉が気になるのだった。


.....何か悪い事を考えている顔だったわ....

悪い事していません!って言いたいけどね?


俺はいつもの森に入り口に入り、回復草100束と魔力草60束を刈り取ると

そのまま奥に進んで行った。

俺の考えは通常依頼の薬草採取を先に済ませた後、奥に進んで強い魔物の狩りをして狩りをした魔物のポイントでランクを上げる考えだ。

さあて、やるぞおおお!

俺は気配探知のスキルを使って魔物の群れを確認していると、何か所分かった。


「此処から西に進むと...これってオークの約20体いるぞ? この先の奥に洞窟があるけど....これはオーガが30体いるぜ! 取り合えず此処から攻めて行こうか?」


俺は西に進んだ場所にオークが20体ほどいるのを発見して、道具箱アイテムボックスから一本の刀を取り出した。

実はこの刀は俺の鍛冶スキルで作った安い刀でしかも付与魔術を使って強化したのだ。

その付与は『斬撃』と『耐久性アップ』と『軽量化』を付けた刀で合計20本も作ったのだ。

『鑑定』すると壊れる回数は普通ならBランクの魔物10体で壊れるのだが、付与すると30体ぐらいまでの強度になっている。


「おい! そこの豚! 行くぞ!」

俺はオークに向って切り込んで行った.......オーク20体倒すのに10分もかからなかった。

次に向ったのは洞窟の中にいたオーガの群れだった。

これも、約20分ほどで全滅させたのだ。

俺ってすげえぜ!

オークとオーガは首を一瞬にて切り落としたので道具箱アイテムボックスに死体全部を入れて『解体』スキルでオークは魔石、肉、皮以外は捨てて、オーガは頭部と魔石以外は捨てる事にした。


「これで、最低でもDぐらいにはなるかと思う。さっさとギルドに戻って報告するか?」

こうして俺はオーク達とオーガ達を倒して、街に戻ってギルドに報告しに行った。

ギルドでの報告では、受付嬢に話をする。


「すいません! 『薬草採取』の依頼終わりました!」


『お疲れ様でした。確認しますね......回復草100束と魔力草60束....確かにありました。それでは合計銀貨11枚になります』


「ありがとうございます。それと途中で魔物をたおしたのですが?」


『分かりました。貴方のギルドカードには討伐履歴が解りますのでカードを提示してください』


「どうぞ」

ギルドカードを受付嬢に渡すと受付嬢はカードを石板の上に置いた。

するとカードに光輝いて石板に討伐した魔物の一覧が出て来た。

それを見た受付嬢は


『え~と、オークが....20体?.....ええ? オーガが.....40体? しかもオーガキングとオーガジェネラルもいるなんて....これ本当に?』


「マジっす」

洞窟にいたオーガって40もいたの?

その内キングとジェネラルも入れてだったのね?


『.....あのう....オークとオーガの素材とかありましたか?』


「あるよ?オークは肉と皮と魔石、オーガは頭部と魔石があるよ?」


『........。』

黙り込んだ受付嬢。


「あのう....その場で出しても良いですか?」


『ちょっと待って下さい! 奥の倉庫に一緒に来てくれますか?』

受付嬢が俺を腕を持って、奥の倉庫に向って行くと、一人の大きな男が立っていた。


『ちょうどよかった、ギルドマスター! この方の討伐素材の確認をお願いします』


『どうしたのだ? エミリー』


『ユートさん。素材は何処にあるのですか?』


「実は、スキル『道具箱アイテムボックス』がありましてその中に入っています。出してもいいの?」


『はい....お願いします』

受付嬢の指示で俺は道具箱アイテムボックスから素材を取り出して内容の説明をした。


「え~と、この素材はオークの素材で、魔石、肉、皮で、隣にあるのがオーガの首と魔石です。鑑定してくれば分かると思います」


『おい! 鑑定出来る人を呼べ! ギル!確か鑑定出来るよな?』


『出来ま~すよ? どれどれ................これは.......ギルドマスター!』


『ギル、分かったのか?』

ギルドマスターの質問にギルは青ざめた顔で答える。


『まままま.....ちがいません.....オーク20体とオーガ40体、その内オーガキングとジェネラルも入っています.......』


『マジか?』


『マジっす!』


『『『『『....................』』』』』

俺以外のギルド職員全員が沈黙していた。

俺って何かやっちゃったの?


『そこの坊主! ちょっとマスター室に行いや!』

ギルドマスターに連れられて俺はマスター室に行かされた。


マスター室には俺とギルドマスターと受付嬢エミリーの三人が座ってい。

開口一番にギルドマスターが話始めた。


『先ず、俺はこのザクソン支店のギルドマスターのゲイルだ』


『私は主任受付嬢のエミリーです』


「俺は昨日登録したFランクのユートです」

俺の名前を聞いたゲイルは驚きの顔をしたが、すぐに元に戻り


『エミリー。ユートの討伐の報酬を計算とギルドポイントの確認をしてくれないか?』


『分かりました、5分で戻って来ます』

エミリーは席を外した。


『ユートって言ったか?』


「そうですけど?」


『.....そうか...そう言う事だったのか....あのバカいい加減にしろよ....すまんすまん。これは俺の独り言だ。それで本当に一人で倒したのだな?』


「はい。さっき討伐履歴を見てもらいましたので、確認しますか?」


『いやいい......。エミリーが戻って来るのを待つ』

すると、エミリーが入ってきて


『お待たせしました! 先ずは報酬ですけど、合計金貨150枚になります。そして....討伐履歴で確認したポイントを計算しました所、ユートさんはCランク相当になります。マスターどうでしょうか?』


『ありがとうな? エミリー。そして、ユートよ』


「はい」


『お前をCランク冒険者に昇格する。そして、このエミリーにはお前の専任受付嬢に任命する。但し、このザクソンしか出来んがな?』


なんと! 一気にCランクになったぞ!

此れで他の都市にも行ける!

それは置いといて、ミーケ一家の依頼が出来そうだ。

俺は金貨150枚とギルドカードにランクアップの処理をしてもらった。


『ユート、Cランクの冒険者に昇格した者は必ず領主様の謁見が必要だ。謁見する準備があるので他の街に行く事は許さないからな! 謁見には約一か月かかるから、エミリーにお前の居場所を教えろよ?』


「それなら、俺は「子猫亭」にいますので、よろしくお願いします」


『分かりましたわ。ユートさん』

俺はギルドを後にして『子猫亭』に帰るのであった。

さあ....明日から大変になるぞ!


~作者より~

読んでいただきありがとうございます。

応援と出来れは評価の☆を★にしていただくと嬉しいです。

次回は子猫亭の改装を行います。






 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る