第3話

学校に行かなくなって1週間ほど経った。

親が学校に電話したらしく

先生が朝、自宅に迎えに来てくれるようになった。

担任の先生がいい人で本当によかったと

この歳になって心から思った。


自分の意思で学校に行けるまで

毎朝迎えに来てくれた。


だんだんと自分で学校に行けるようになり

いじめも無くなってきた。


休み時間になり校庭にでた。

ジャングルジムで遊んでいた友達に


「一緒に遊んでもいい?」


と、聞いたら


「1番上から飛び降りたらいいよ」


急にそんなことを言われてビックリした。

いつも一緒に遊んでいたのにどうしてこんなことをしないと遊べないんだろう。


友達と話すのが嫌になった。

また、いじめが始まるんだと思ってすぐに家

に帰りたくなった。


誰とも遊ばない学校生活が何日も続いて

また学校に行きたくなくなり不登校になった。


そんなことを繰り返しているうちに2年生になった。


2年生に上がるとクラスも変わるので幼稚園の友達と一緒のクラスになれるか少し楽しみだった。


嬉しいことに友達と一緒のクラスになれた。


これから毎日楽しみだと思っていたけど

そんな簡単なことではなかった。


いじめてきた男の子とは別のクラスになったけど

女の子からいじめられることになった。


休み時間になり外に行くと頭の上に靴を乗せられた。


その時はすごくビックリして何も言えなくなった。

ただ泣きそうになるのを必死に堪えるだけだった。


学校も終わり下校班の人達と一緒に帰る時もいつもいじめてこなかった男の子に何故か急に虫を持って追いかけられた。


「豚小屋に帰れ」


と言われて走りながら泣いた。


その男の子は学年で1番足が早く

小学生の頃は運動ができる人が好きとか

勉強ができるから好き

という女の子が多かったと思うが

その男の子は学年で1番女の子に人気だった。


だけど私は本当に嫌いだった。


でも、虫を持って追いかけられた日に祖母がお散歩がてらに途中まで迎えに来てくれていた。


泣いてる私を見て


「どうしたの?なにがあったの?」


などと優しく話を聞いてくれた。

祖母が背中をさすってくれて

手を繋いでくれて

私は声を出して泣いた。


全て嫌なことを話した。


思いっきり泣いたら少しだけ気持ちがスッキリした。

その日から学校が終わると祖母が迎えに来てくれるようになった。


学校に行くのは嫌だけど帰りだけが楽しみでそれだけを楽しみとして学校に行った。


だんだん、クラスの子達と遊べるようになり毎日が少しずつ楽しくなっていった。

祖母が迎えに来てくれた日から私の毎日は明るくなっていった。


楽しい毎日が続くようになりあっという間に2年生が終わった。


3年生になりまたクラスが変わり

1年生の頃いじめてきた男の子と同じクラスになった。


また地獄が始まる。



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