第6関門:座るという外圧

 前回、車椅子の場合、『垂れ下がり』には強いことを書きました。

 しかし、勿論、車椅子での使用にも気を付けなければならないことがあります。一つは既に書きました、紙おむつが擦れたり、食い込んだり、当たることによる痛み。


 もう1つは、車椅子に限らず、座る状況を想定するなら備えておかなければならないことです。

 それは、吸水後のおむつに座る、ということは、水を含んだスポンジに圧をかける様な行為だという自覚。


 勿論、紙おむつの水の逆戻りは少なく、スポンジとは異なります。

 只、体重をかけて上に座る以上、キャパシティに対して、どの位、吸水しているかで、やはり濡れ感が変わって来ます。座っていると、使用後の不快感を感じやすいです。


 また、濡れ感がある、ということは多少は水分が吸水し切れていない状態な訳です。その量によっては、おむつ外に伝わる可能性もあります。

 女性は尿道口が突出せずに下を向いていますから、底であるクロッチ部分から尿が溜まります。一番キャパオーバーになり易い部分に瞬間水量が集中し、下腹部の吸水体はそこから逃げて来た尿を吸収する形です。排尿時は元々、漏れが生じ易くなります。

 その上に座る可能性があるので、吸水のキャパシティに余裕を持たせる必要がある、と感じました。


 また、これは不快感だけの問題ではありません。

 実際、水分が多少は溢れて肌着にしみ出る可能性も。量が多ければ、アウターも濡れることになります。


 車椅子に座り通しならば、本人の不快感はあるものの、他人からそのシミは見え難く、膝掛け一枚で隠すこともできます。クッションまで濡れると、手入れは大変ですが。自前であれば、失敗で済むでしょう。


 逆に、立ったり座ったりする場合は、衣服が濡れると外から発見され易いです。

 また、服が変色する程の場合、座った座面に尿移りしている筈です。外では公共か他人様の椅子に腰かける訳ですから、非常に困った事態と言えます。


 ですので、吸水性の下着を履き、ボトムは厚地、更に、オーバースカート等を巻いておき、それが撥水性のある生地ですと、だいぶ安心です。

 一番簡単なのは、腿丈程度のウィンドブレーカーを着ておくこと。暑い時には、脱いで腰に結びましょう。袖を結んで体に括る人は普通にいますので、普通はおむつ対策とは思いません。

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