誰かのために。

  • ★★★ Excellent!!!

音楽ってものすごく不思議で、音という明確な言葉がないものでも、しっかりとしたメッセージ性を抱えていて、人々に安らぎや興奮、様々な感情の起伏をもたらします。
主人公も女の子との出会いがあり、音を届けることに留学を見出だしました。その先は音楽をその子に届けることが、生きることと同等の価値になり、長らく歳をとっても誰かを想い続けてきました。

そんな真心というか純粋な気持ちがとても素敵で、実際に88歳になっても行動に起こしてることが素晴らしいと思いました。勝ち負けの問題ではないのですが、誰かを思う気持ちで初めて負けたような気がしました(笑)。やっぱり自分は誰かに人生の全てを捧げ、愛を行動で示すような覚悟が足りないんだなぁと……。

そう思わせてくれるくらい、主人公の一途な様子が暖かく、優しく、心の中をそっと撫でられるような感情に包まれました。表現力が皆無なので、うまく言葉に伝えられなくて申し訳ないです……(笑)。
とにかく、自分のためというより誰かのために何かをすることの素晴らしいさを、誰よりも深く理解していなければ書けないような傑作でした。本当に作者様の心の綺麗さが現れていて……どう生きればこんな傑作が書けるほど純粋な心を持てるのか、分からなすぎて逆に怖いです(笑)。

今回も素敵な作品を読ませてくださりありがとうございました(*´∀`)