第二章 燎夜新宿

ex これまでのあらすじとキャラ紹介

※※前書き※※

 一章を飛ばした方のためのあらすじ。それでもかったるいぜという方は、主人公側(竜胆りんどう色葉いろは、リサ)は全員なろうとゲームの重度オタクで、ステータス発生当初の混乱を切り抜けて、さあこれからダンジョン探しだぜ、ってところ、とだけ。その他の方は飛ばしても大丈夫です。




※※あらすじ※※

 2023年12月1日13時。


 その日、地球上のすべての人たちにシステムメッセージが響いた。人類にはレベルが付加され、スキルが使えるようになっているという。そして文明は、崩落アポカリプスへの道を歩み始める。


 後にレベルアップの日と呼ばれるその瞬間を、5限の授業中に迎えたなろう・・・とゲームを愛する高校1年生、八神竜胆やがみりんどう。クラスで「イジられていた」川島かわしまくんがスキルを使い突如、クラスメイトを殺害する場面を目撃する。パニックに陥るクラスだが、竜胆は幼なじみの一丸色葉いちまるいろはと共に、冷静にスキルを確認。竜胆は〈改造モディファイ〉、アイテムに様々な性質を付与するもので後衛っぽいが、色葉は服装に応じてステータスにボーナスを得る〈正装ドレス・アップ〉、と前衛らしい。


 「イジられて」いる川島くんを助けてはいたが、我が身かわいさから救いはしなかった竜胆と色葉。2人はただ、川島くんの復讐を見守る。川島くんは3人を殺害したところで教師に取り押さえられ、殺されてしまいそうになる。あわてて2人は止めに入るが、すでに川島くんは息絶えていた。


 そして川島くんを殺しレベルアップして自殺した教師を、なぜか竜胆と色葉が殺した、とシステムは判定。どうやらもう2人はパーティということになっているらしく、2人ともレベル4に。システムの謎を追究するためにも、2人は共に、生きていくことを強く決意。


 図書準備室にいったん避難し、ネットを駆使して情報をかき集め、夜の闇に紛れて学校を脱出し、竜胆の家で物資を整えることに。しかし、夜を待つ中、校内放送が響く。生徒全員で協力してこの苦難を乗り越えよう、ついては3年の教室集まれ、というものだったが……。


 色葉はその放送を罠だと見抜く。竜胆は、学校脱出するため取得しておいた〈四輪車運転ドライビング〉に加え、使える攻撃スキルとして〈投擲スローイング〉を取得。校内に備蓄してあった数百の単一乾電池を時速100キロ超で投げ、1階まで強行突破しようと企む。


 しかし、1階を占拠している3年生集団との戦闘の中、透明な少女が2人に声をかける。2人の友達でなろう作家だった鉄方くろがねがたヴァシリッサ(本名)。3年生の集団にレイプされ、その相手を殺した彼女は自殺を考えていたが、友達だった2人の戦う姿を見て生きることを決意し、2人についていくことに。


 3年生集団の手をなんとか逃れ、竜胆たち3人は車に乗って学校を後にし、竜胆の家へ。物資とスキルを整えた彼ら3人のパーティは、次なる目的、ダンジョンの探索に向かう……。




※※※※キャラクター紹介※※※※


※※主人公※※

☆ゲームはしても対戦しない、根っから陰キャのソロゲーマー。


八神竜胆やがみりんどう 16歳 171cm 59kg

外見:メカクレ気味ボサボサ頭のヒョロガリゲーマー


ユニークスキル:改造モディファイ

 アイテムから四元素を抽出し、他のアイテムに付加し、その性質を改造できる。


「ゲームってのは、システムと自分と、1対1の戦いだろ」


・解説

 小学生で自分の名前の “それっぽさ” に気付き、以降、運命と両親を呪いながらひたすらゲームとなろう小説に没頭して過ごしているソロ気質のオタク。ゲーマーではあるが人と競うことにまるで興味がなく、プレイするのはローグライク(orライト)、ハック&スラッシュ、ダンジョンクロウル、シミュレーション系がメイン。

 勘違いされがちだが、ゲームが特にうまかったりはしない。うまくなりたい、とも思っていない。ゲーム内に自分で目標を設定し、その設定をクリアすることに熱中するタイプ。

 なろうで一番好きなジャンルは国作り・内政もの。どうでもいい事柄(学校での出来事の大半)に対して感情を動かすのは無駄、と思うタイプで、一見は人間的な感情がない、冷徹とも見える態度。色葉がいなければ学校で一番 “イジられていた” のは間違いなく彼だろう。

 キャラクリエイトができるゲームだとどんなシンプルなものでもそこに数時間かかるが、本気を出すと設定ノートから作り始め、最長では3日かけた。




※※ヒロイン※※

☆完璧ヒロインの裏の顔は、FPSジャンキー。


一丸色葉いちまるいろは 16歳 165cm 54kg

外見:黒髪ストレートロングの正統派清楚系美少女


ユニークスキル:正装ドレス・アップ

 服装に応じて様々なボーナス。瞬時に着替え可能。


「どんなゲームでも結局、人たちが、人たちと戦ってるだけでしょ」


備考

 幼なじみである竜胆の影響でゲームとなろう小説にハマる。だが彼女は人と競うことに喜びを見いだすタイプで、オンラインゲーム(特にFPS)とスクールカーストの向上でめきめきと頭角を現す。学校では「成績優秀スポーツ万能眉目秀麗完璧委員長」だが、その実は悪名高いアマチュアFPSクランdEX-hEXデックス・ヘックスの伝説的リーダー、one-colorであることは、竜胆以外知らない秘密。感情の機微に敏感で、それをゲーム的に “処理” できる戦術の天才。対戦ゲーム、読み合いの鬼。ただし私服の趣味が結構アレ。




※※ヒロイン※※

☆美少女高校生なろう作家は、本名でした。


鉄方くろがねがたヴァシリッサ 15歳 140cm 39kg

外見:茶系ミディアムボブの小動物系ボクっ子眼鏡美少女


ユニークスキル:神隠れんぼハイド&ハイド

 認識されずにいた時間を貯蓄し、その時間分、持ち物や服も含めて完全に透明になれる。


「ゲームも、小説も、全部うそ、です。お金とか、宗教とかと、同じですね」


備考

 室町時代から続く名家、鉄方くろがねがた家の一人娘。だが当代の当主がソ連好き、共産趣味をこじらせ、娘にロシア語風の名前をつけ、娘はすくすくとグレる。すべての習い事をサボタージュし一人称はボクになり、ゲームとなろう小説だけが生きがいとなり、やがては経済的な自立、FIREを目指し自分でも書くようになり、現在は一人暮らし。竜胆と色葉は元々彼女のファン。高校で教師が「鉄方はすごいんだぞ、この年でもうデビューしてるんだ、ほら鉄方、宣伝しなきゃ」とアウティングする前から彼女が作家であると知っていて、2人でサインをもらいにいってからの友達。少々吃音があるが、2人と話すときはそれほど出ない。1年で地図25枚分を更地にする整地フェチ。

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