いつかの夢

 幼い頃のあたしの夢。


『いつか、たくさんの幸せのある学校で、たくさんの友達と楽しくいたい!』

 

 ちょっとよく分からないけど、要するに友達を作りたいってことだと思う。


 幼い頃から体の弱かったあたしは、お世辞にも友人が多いとは言えなかった。


 集団スポーツではみんなの足を引っ張り、皆からの反感を買った。


 しょっちゅう通院していたために新たに友人を作ることもできなかった。


 それでも、あたしは幸せな学校生活を望んだ。


 それを神様は聞いていたのか、小学校に上がってからは体調がよくなり、わりとマシな学校生活が送れていたと思う。


 だからあたしは、このまま平穏な日常を送れるだろうと思っていた。それが嬉しかった。


 だけど中学校の頃。あたしは重い病気にかかり入院した。

 

 入院、入院、退院できてもまた通院。そのせいで中学校はまともに通うことなどできなかった。


 あたしは、幸せな学校生活を諦めかけていた。


 そして高校。あたしの病状は徐々に良くなり、週に数度の通院でよくなった。


 待ちに待った青春。入学したのは、電車で三十分くらいの公立高校。


 これからどんな生活が待っているんだろう。


 どんな人がいるのだろう。どんな人と出会えるのだろう。


 人生、無駄になんてできない。いつまた病状が悪化するかも分からない。

 

 だから、これがアタシのモットー。


 どんなに辛い事が起こっても、どんなに過去が嫌だったとしても。


 ──何が何でも、人生楽しく生きよう。


 どんなこともポジティブに。どんなに辛い過去も面白おかしく。


 あわよくば、いずれ出会えるであろう。中宮高校の人々と一緒に。

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