F2

登魚鮭介

プロローグ

「鬼刃!前線に出れるなら出ろ!」

耳につけた無線から、指示が出る。

「無理だ!弾がない!」大声でそう返す。

「攻浜!補給はまだか!」

蒼堂の声が無線からうるさく聞こえてくる。

いい加減黙れ。弾もなくてイライラしてるってのによ。

「痛いんだよぉ!この野郎!」

タオが思いっきりドロップキックを敵に食らわせている。どこからその体力は出てくるんだ。

もう、作戦開始から7時間経ってるんだぞ。

「タオ!無理するな!」

「今、補給に向かいます!」

今になってかよ。遅すぎんだろ。

「おい、攻浜!なんでこんなに、遅いんだ!」

「すみません!ギャー!」

うちの部隊はこんなにうるさかったか?

全員、頭がいかれたか?


2時間後


「作戦終了だ。全員ご苦労だった。」

作戦所用時間約9時間。

そうか、うちの部隊には回復担当がいなかったんだな。だからか。

今回も疲れた。汗がベトベトしている。

気持ち悪い。早く帰ろう。

「こちら、鬼刃。これより帰還する。」

「こちら、タオ。同じくこれより帰還。」

「こちら、攻浜。役に立てずすみませんでした。帰還します。」

「総員帰還宣言を確認。蒼堂、同じく帰還する。」

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