似た者同士
やらかした...事故とはいえ壁ドンしてしまった...
なんか壁ドンしちゃった瞬間にめちゃくちゃ見られたけど、あれどういう意図だったんだ...
「信二なかなかやるな」
「うんうん、信二もすみにおけないね」
鶴岡八幡宮に着いて、観光したあとに俺達は近くでアイスを食べた
その後遥がトイレに行ったタイミングでこれでもかと弄られる
「ごめん、今そのノリ着いてけない」
「随分落ち込んでるねぇ」
憐れみの表情を向けてくる
「仕方ないよ瀬良、黒歴史を作ったんだから。しかも好きな人相手に」
瀬良があちゃーと手を額に当てた
そこで遥が帰ってきた
「じゃあホテルに戻ろうか」
「...時間に余裕あるし、歩いて行かない?」
ものすごい弱気で聞く
「信二、さっきのは...ほら、事故だから!気にしないで。私も少し恥ずかしかったけど、瀬良も空も言いふらすような人じゃないじゃん?だから無かったことにしよ...」
大人の対応させちゃった...
「そうだな、とりあえず帰りのバスは空いてたら俺に座らせてくれ」
そういうと皆笑ってくれる
「まあ俺は好きな女子に壁ドンしたことある男として生きてくから、無かったことにはしないけどな」
シーンとしてしまった...あれ?ウケると思ったのに
「え、えっと...」
何故か遥がもじもじしている
「信二...今なんて言ったか改めて考えてみろよ...」
「何って、俺は好きな女子に壁ドン...あ!」
今"好きな女子に"って言ったのか!?俺!
「違っ...今のは...いや、違くは無いんだけど...」
遥と目が合う
「あのさ、劇終わったあと少し話せない?」
「わかっ...た」
そこからはその事しか考えられなかった
いつの間にかバス停に着いていて、いつの間にかホテルに着いていた
「信二、腹括ったのか?」
「うん。俺、劇終わったら告白する」
両手の指を絡めさせ、力を入れる
震えが止まらないのだ
「そっか...お前は凄いな」
「な、何がだよ」
「俺だったらあの場面。ごまかして逃げちゃうと思うんだ」
空は普段は気が強くて、負けず嫌いで、やることを決めたら真っ直ぐなやつだ。
でも恋愛のこととなるとヘタレで、最近は普通に話せるようになったが、褒める時とかめっちゃ緊張してたし...色恋沙汰に限ってすげえ頼りがいが無くなる
こいつはどこか瀬良と似ている
だからこそ惹かれる物があるのかなと、そんなことを思った
「そういえばさ、空っていつ瀬良のこと好きになったんだ?」
瀬良のことが気になるとは班決めの前に言われたけど、たぶんあの時点で好きだったんだと思う
「まあお前なら良いか。明確なきっかけが有る訳じゃないんだけどさ、なんつーか瀬良ってすげえ可愛いんだよ」
「それは外見的なことでは無いよね?」
そんなわけないだろと言い、話を続けた
「うーんと、嬉しい時はめっちゃ笑顔になって笑って嬉しいって言ってくれて、気に食わない時は漫画みたいに口を尖らせるんだよ。何にでも本気で、自分に正直に生きているとこを見てるとさ、何か元気になるんだ。」
「確かにあいつ表情豊か出し、思ったこと何でも口にするよな」
何気に良く回りを見ているな
「そういう真っ直ぐなところを見て良いなあって思って、ちょっと話すように成って、当たり前のように好きになってた。あいつを笑顔にさせたいって思った」
お前も似たようなもんだろって思ったが、そへは心に秘めておこう
「そっか、なんとなくとかいう答えじゃなくて良かったよ」
「俺を何だと思ってんだよ!」
二人で笑った
不思議と震えは収まっていた
「空、ありがとな。お前がフラれたらめっちゃ慰めてやる!」
「フラれる前提で話を進めてんじゃねえ!ぶさけんな!」
お互い頑張ろうということで恋ばなは終わった。
この後はご飯を食べて、レクをやり、劇が始まる。俺が告白するまであと2~3時間くらいかとか親友と話したお陰で少し余裕を持って考えられる
もう腹は決めた。あとは時が来るのを待つだけだ!
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