【フワーデ図鑑】クリプティクス・シャドウ

【妖異の名称】

 クリプティクス・シャドウ


【画像】

https://kakuyomu.jp/users/teikokuyouitaisakukyoku/news/16817330667651080782


【外観】

 ​​クリプティクス・シャドウは、人間のような形をしていますが、その肌は黒く濡れた海藻のようで、常に滑りやすい表面を持っています。長い腕は触手のように曲がりくねり、指先には鋭い爪があります。その目は深海魚のように暗闇で輝き、顔には感情を読み取ることができない不気味な表情があります。


​​ 【詳細】

 民間伝承によると、クリプティクス・シャドウは普段は次元の狭間を彷徨し、新月の日にその姿を顕現すると信じられています。


 ​​ 過去に、一つの小さな村がクリプティクス・シャドウに襲われたと噂された事件が発生しています。ただ一人生き残った老人パートリッジは、村人たちは一晩中、家の中に閉じ込められ、朝までに村から消えていたと証言しています。村の各所に獣の足跡が残されており、また海藻らしき断片が足跡の周りに墜ちていたことが確認されています。


 この事件は、当時のアシハブア全王国民を震撼させました。事件発生から半世紀を過ぎた今でも、この事件は人々の恐怖を呼び起こしています。


 以下、当時の王国ウォール新聞の内容。


 先月、沿岸の小さな漁村ウェルズが何者かによって襲われ、住民が一夜にして姿を消すという未曾有の事件が発生した。目撃者の証言と残された痕跡から、この事件の背後には「クリプティクス・シャドウ」と呼ばれる伝説の怪物が関わっていると推測される。


 ウェルズ村とその周辺では、海藻に覆われた足跡が多数見つかっており、光る目を持つ不気味な影が目撃されたとの報告もあがっている。怪異研究者たちは、これらの現象がクリプティクス・シャドウの特徴と一致すると指摘している。


 当時、村には約50名の住民が暮らしていたが、一人の老人を除き、村人らの行方は全く分かっていない。現場に残された家屋は無人となり、現在では深い沈黙が村を覆っている。王国は周辺の村の安全確保と事件の究明に向けて、捜索隊を派遣するとともに、近隣の村の住民に対して夜間の外出を控えるよう呼びかけている。


 この事件は、古くから伝わる怪物の伝説が現実のものとなったかのような衝撃を王国に与えている。一方で、神典科学的な根拠のない怪物の存在を疑問視する声も少なくない。今後の調査により、この村に起こった真実が明らかになることを王国民は待ち望んでいる。




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第167話 クリプティクス・シャドウ Side:妖異

https://kakuyomu.jp/works/16816927860409109640/episodes/16817330668268846155

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