その戦闘シーン、まさに圧巻!

 緻密な文章表現とぶれない視点を持った骨太なストーリー展開。その2つが絡み合って繰り広げられる中盤からの戦闘シーンは、まさに圧巻としか言いようがありません。人対人、そして人対怪物。目に見えるようと言うよりも、血の臭いが漂ってきそうと言ったほうがふさわしいでしょう。
 物語りの前半に、主人公とその仲間そして悪党たちの一人一人の人物造形と置かれた立場がしっかりと書き込まれているので、なおさらのこと、後半の臨場感が半端ないです。

 この作品は、三部作品の中の第二部とか。腕利きの近衛親衛隊の主人公と悪党の二人組(第二部で一人になってしまいましたが)の知恵と剣術のせめぎ合いを、長い長い物語りとして、もう一度、どっぷりと世界観に浸って読んでみたいものです。