美少女の家で転生した⁉︎

 オレは…

 オレは今最高に幸せです。

 こんな最高なことがあっていいのでしょう

 か?

 学年一の美少女と一緒に暮らしているどこ

 ろか、イチャイチャまでさせていただいて

 いるなんて。

 しばらく正座して考えた。

 

 …もしかしてオレは、いつのまにか転生し

 てイヌになってたり⁉︎

 慌てて鏡の前に立った。

 …うん。人間っす…。

 本当に人間か⁉︎

 自分にだけ人間に見えるって事は、ないの

 か⁉︎

「ワン‼︎」

 吠えてみた。

 あ、意外とイヌの声上手くないか⁉︎

「ワンワンワン‼︎」

 …考えても吠えても結局結論は出なかった。

 寝よう。

 

 

 次の日

 理央ちゃんが洗面所にいた。

 しかしいつも早いなぁ。

 んで、爽やかだし…。

 なんて思ってたら、理央ちゃんがいきなり

「お手!」

 って言ってオレに手のひらを差し出した。

 ⁉︎やっぱオレってイヌなの⁉︎

 条件反射で思わず

「ワン‼︎」っていいながらお手をしてしまっ

 た…。

 クスクス笑う理央ちゃん。

 …あのー…。

 やっぱオレ…イヌっすか⁇

「理央ちゃん…。」

「あっ、ごめんなさい。お手なんて。」

 …イヌがお手して飼い主に謝られるってど

 ういう状況⁈

「なんでごめん⁇」

「だってお手なんて失礼だった。でも…昨日

 部屋でワンって言ってなかった?」

「あー…聞かれてた。」

「うん。すっごく胸キュンしちゃって。で、

 つい朝イチお手なんて言っちゃって…私ね、

 ダントツでイヌ派なの。良夜くんイヌっぽ

 いよね。すっごく!イヌだーいすき」

 …ん⁉︎

 今イヌっぽいって言ったな。

 って事は、オレはイヌじゃないのか。

 ⁉︎今理央ちゃんオレの事イヌっぽいって言

 ったよな⁉︎

 しかもイヌだーいすきって…

 どう言う意味だよ⁉︎

 なんなんだー⁉︎

 これだから天然小悪魔ってやつはー‼︎

 

 …ま、イヌじゃなかったみたいだから一安

 心ってとこだな。

 

 休日

 理央ちゃん宅にお世話になっているので、

 今日はお家の掃除機かけをお手伝いさせて

 いただいた。

 ふぅ。

 意外と疲れる。

 掃除も終わり部屋でのんびり雑誌を読んで

 いたら、いつのまにか昼寝してしまってい

 た。

 …なんかひとけを感じて目を開けると…

 ⁉︎オレのベッドの前に理央ちゃん⁉︎

 ん⁉︎

 んんん⁉︎

 どういう状況ー⁉︎

「あっ…えっ⁉︎」

「あー、良夜くん起きちゃったぁ〜。もっと

 寝顔見てたかったなぁ」

「ん⁉︎」

「あぁ、ごめんなさい。勝手に部屋に入った

 りして」

「ううん。それよりなんで…」

「あっ、あのね。ノックしたんだけど良夜く

 ん返事しないから、玄関行って靴確認した

 の。そしたら靴あって部屋中探したんだけ

 どいないから部屋で倒れてるのかなって思

 ってあけさせてもらったの。そしたら…ね、

 すっごくかわいい寝顔してたからつい…つ

 い見入ってしまって…」

 かわいい寝顔って…

 キモい寝顔の間違いじゃないか⁈

 

「で、なんか用事あった?」

「あっ、えと…なんだっけ?あっ!思い出し

 た。下にケーキあるから一緒に食べよって

 言いにきたの!」

「ケーキ…。うん。わかった。少ししたら降

 りるね。」

「わかった。紅茶入れて待ってる」

「うん。ありがとう。」


 …あーびっくりしたわー。

 あんな間近に理央ちゃんいるから天使がお

 迎えに来たかと思ったぜ。

 白い服着てるし。

 小悪魔天使⁉︎

 ややこしー‼︎

 

 下に降りると理央ちゃんしかいなかった。

 お父さんとお母さんは、買い物に出かけた

 らしい。

 ケーキを食べ終わり二人で片付けていると

 理央ちゃんがなんか言いたげだった。

「ん?どうしたの?」

「あのねっ、ひとつ…いや、ふたつ、みっつ、

 よっつお願いがあるの。」

 ん⁉︎どんどん増えたけど…なんだろう。

「お願い?何?」

「あのね、ひとつ目は今から話を聞いてほし

 いの」

 …ひとつ目それか。

「うん。いいよ」

「ありがとう。ふたつ目は、いいかダメか答

 えて欲しいの」

「うん。何を?」

「あのね、びっくりしないでね。実は…実は、

 お友達の美紗子ちゃんが彼氏できたの‼︎」

 ⁉︎そこ?びっくりしないでってその話⁉︎

 でも、いいかダメかってどういう事だ?

「ン?美紗子ちゃんに彼氏できて何?」

「あのー、実は…ダブルデートしないって誘

 われてて…一緒にいい?それともダメ?」

 ふたつ目は、それか。

「もちろんいいに決まってるよ!」

「ほんと⁉︎こんな私なのに嬉しい。良夜くん、

 いつもありがとう。」

 こんな私って…。

「うん。で、みっつ目は?」

「みっつ目は、なんだっけ?嬉しすぎて忘れ

 ちゃった。」

「そっか」

「うん!で、よっつ目がね、」

 みっつ目忘れたけどよっつ目は、覚えてる

 んだ…。

「よっつ目は?」

「遊園地なんだけどいい?」

 って事だった。

「うん!いいよ‼︎」

 って事でダブルデートが決定した。

 ダブルデートって言ってもオレたち付き合

 っているフリなんだけどな。

 ま、いいか!

 

 軽く考えていた遊園地…。

 後で遊園地に行ったことでオレは頭を悩ま

 せるのであった。

 

 

 続く。

 

 

 

 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る