伝える言葉、繋がる想い

利吉おじいちゃんは、ずっと海の近くで生きてきたから、海のことを良く知っていました。11年前のあの年も、その異変に気付いていました。
亀の甲より年の劫ともいうように、長い経験というのはそれだけで貴重です。だからおじいちゃんは、その貴重なものを口を酸っぱくしてでも周りに伝えようとします。
経験を通して自ら学んだことを他の人に伝える、そのために言葉や文字はあるのです。
あの日の記憶も、こうして形にして伝え続けてくれる作者様がいるというのはありがたいことだとしみじみ思います。