2023/04/10 登校

「さくらぁーーおはよーーー」


薫は相変わらず声が大きい


朝のぼんやりした頭には無駄に響く


入学式を終えた桜達1年生は土日を挟み


普通登校の一日目を迎えた。


「おはよ」


「ねぇーきのうさぁ

 コンビニ行ったら#○△@*・・」


朝からよく喋る。相槌をうたなくても


無限に再生されていくのが


せめてもの救いだ。


実は、桜と一緒に登校するには


薫が少々遠回りになる


それなのに薫は毎日一緒に登校するのだ。


『佐々木 薫』は声が大きくおしゃべりで


ガサツな割には気遣いができる


そんな彼女と中学時代と同じように


一緒に登校出来るのを秘かに嬉しく思う。


「ねぇ薫、きのう根元くんなんか言ってた?」


マックの帰り道根元と薫は同じ方向だ。


薫はお洒落なマッシュの髪を


両手で整えながら答える


「あーー!なんで桜にだけ敬語なの?

タメ口で良いじゃんって言ったら

『いやいや、俺はタメ口出来ないよ』

って言ってたよ。なんでだろうねー」


そのなんでを聞いて欲しいんだけど、、




まぁ、ちょっとづつ仲良くなれば良いかぁ~


薫・片岡と仲良くなってから


楽観的になった自分の性格が嫌いじゃない。


まだ少し涼しい澄んだ朝の空気の中を


薫の他愛もない話を聞きながら


足並み揃えて学校へ向かった




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