第3話

同居後は、義妹に対して素っ気ない態度をとった。

可愛い子であれば、一緒に買い物とか行きたいし、外食もしたいけど、これじゃあな。

可もなく不可もなく、ただ接してるだけだな。おはようとかの挨拶程度。

別段、他のことはなにもない。


ただひとつ、俺は義妹に伝えておいた。

伝えた、といっても約束をさせたんだ。


同居が決まってすぐに。


俺の家に、新しい父親とともに義妹が転がり

こんできてすぐに、陰キャ義妹にこんな約束をさせた。


「あのさ、俺らが義理の兄妹になったことは

高校のやつらには絶対内緒な。

いいか、口が裂けてもいうんじゃねぇぞ」


他の人にとっては俺らの同棲は格好の話題になりかねなかったからだ。


「は、はい。。こちら、はなからそのつもりでした。シンジくんはイケメン過ぎるから、

そんなイケメンとこんな地味な見た目の私が兄妹になったなんて、恥ずかしいですもんね?」


「そうだ。その通りだ」


我ながらキツイことを平気で言ってると思う。


まぁ、でも、眼鏡をかけてる地味子、

もとい、ヒナタが顔色ひとつ変えないので

別にこいつは、なにを言っても傷つかないのかもな、と思ったりもした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る