第9話 シリアスが続きます

 朝である。

 昨日シリアスな雰囲気を醸し出す会話を山女やまめさんとしていたがぐっすり寝た。どのぐらいかと言うと、のび太君ぐらい寝るのが早かった。普通は、普段とは違った態度をとったり、電話を後輩ちゃんにかけたりすると思うのだが、僕はそこまでシリアスに敏感ではないし、そもそも僕は無事に家に帰ることが出来るし、僕は死なない。もし、僕が死ぬようなことがあるのなら、それはこの世界が崩れ落ちる間際だろう。

 まぁそんなことは置いといて、今日も今日とてダンジョン探索。今日から、笹目ささめさん達に能力が現れてるので、それの使い方だったり、戦い方だったりを教えたりしないといけないので忙しい。

 いつものことだが。

「今日は、【環境不変ダンジョン-180-b】に行きます」

 朝の7時。笹目さん達が眠そうな目を擦りながらやってくる。探索者協会には人が全然居ない時間帯。今日向かうダンジョン【環境不変ダンジョン-180-b】を探索するには1日ぐらいは平気でかかるので、早く行かないとキャンプを貼らなきゃ行けないし、ダンジョン内で準備したりなんだりしてめんどくさくなる。


 近くのバス停から隣町へ向かう。武器を持っていると銃刀法違反とかで捕まったりするんじゃないかという心配は無用だ。まぁ、結構法律とか変わってたりするから大丈夫。だけど【探索者】を装って武器を持ち込んだりする犯罪者の数も増加の傾向だと、知り合いから聞いたことがある。だから、法律のラインがかなりガバガバだったりするのでそのうち【探索者】に厳しい世の中になるのかもしれない。

 普通に考えて、どこからともかく現れた化け物モンスター相手をぶっ殺す職業を僕らはしているのだから、僕らも同じ化け物の括りに足を踏み込んでいるのかもしれない。後継者というか、安全を守るためにダンジョンを探索する優秀な人物を育成することを目的として、僕は追放屋とかいう、よく分からん名のした仕事をしているが、見る側面を変えると、化け物を生み出しているだけなのかもしれない。

 ………………。

 そんなことを考えても無駄なんだけどな。


 シリアスがバッチリ仕事をしていると、バスが目的地に着いたようだ。

 僕の後に付いてくるパーティーメンバー達。カルガモの親子のよう。似たようなものだが。

 そこから少し歩いて、ダンジョンに着いた。

 昨日行った【環境不変ダンジョン-186-b】と同じような外見をしており、住宅地だったはずの地区にポツンと出来た洞窟。違和感バリッバリなのだが、慣れてしまった僕はもう末期症状。

 【探索者】に慣れてしまって、普通の感性には戻れない。パーティーメンバーにどんなモンスターが出るか等を教えて、そのまま探索へ向かう。現在時刻7時40分。さーて、今日中に終わるかな?

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