グッド・ジョブ媚薬 1部

渡夢太郎

1章

帰国

新橋駅から歩いて5分ほどに銀座八丁目

東京駅に向かって七、六・・・

四丁目には三越百貨店、和光がある交差点がある。

有名な銀座のクラブ街は八丁目から七丁目近辺に多くある。

そこに高級クラブ蝶があった。


「いらっしゃいませ」

むかい入れたホステスはあまりにも若い男が一人に

怪訝な顔していた。


「お一人様ですか?」

「はい」

ホステスは困った顔をして席に案内をした。

銀座のクラブは座っただけで

数万円を請求される店が多い

決して若い男が一人では行くところではない。


「あっ、カウンターで良いです。絵里子ママは?」

「いつもは八時ごろ参りますけど」

「わかりました」

亮はカウンターで水割りを飲んだ。


「あら、亮さん!」

着物が似合う美しい絵里子が声を上げた。

「千佳さん、席を用意して!」

絵里子は荷物を置いて亮を席に案内した。


「亮さん、いつ日本に戻ったの?」

「昨日です」

「じゃあ・・・ほとんど真っ直ぐ来てくれたのね」

「はい、そうですね」


「今日お父様は?」

「一人できました、会いたくて」

「嬉しい」

絵里子は亮に体を寄せた。


「アメリカに何年行っていらっしゃったの?」

「ええと、大学が2年大学院が2年です合計4年です」

「うちに初めて来たのが大学1年の時だから」

「今27歳です」

「そうかあれから10年になるのか・・・」

絵里子は天井を見上げていた。


7年前

亮のところへ絵里子から電話があった。

「お久しぶりです。今日会えませんか?」

「はい、何時ごろ?」

「授業が終わってからでいいわ」

「今日は土曜日なので何時でもいいです」

「じゃあ、ランチを食べましょう」

亮は有楽町の駅絵里子と待ち合わせた。


「こんにちは」

「はい?」

若い女性が亮の前に立った。

「どちら様?」

「私よ、絵里子」

目の前にはミニのワンピースを着た絵里子だった。

「すみません、なんか雰囲気が違うので、それに・・・」

「それに何?」

「若い」

「当たり前よ、私まだ27歳よ」

「えっ?そんなに」


亮にとっていつも着物姿のママと言ったら

それなりの年齢だと思っていた。

「今日お誕生日ですよね。お寿司にしましょう」

絵里子と行った寿司屋は銀座で有名な寿司店で

寿司ランチをやっていて、と言っても

一人10000円以上である。


寿司のシャリはネタによって変えるらしく

夜のお任せコースの値段は30000円する

さすが銀座のママ!


「次はお買い物ね」

絵里子は亮の腕を引いて美宝堂へ向かった。

「えっ?うちで買うんですか」

「そうよ」

入口はドアボーイがドアを開けた。

亮は顔を見られないように頭を下げて速足で入った。

「こんにちは」


亮と絵里子はエスカレーターに乗って5階に上がった。

「絵里子さん、いらっしゃいませ」

姉の千沙子が絵里子に声をかけた。

「亮!どうしたの?」

「絵里子さんに付き合って買い物です」

「どうして・・・」

千沙子は亮と絵里子は店内で時々

会っているとしか思っていなかった。


「じゃあ、亮あなたがお相手してあげて」

「わかった」

亮は絵里子に似合う服を選びそれに合う靴を選んだ。

「絵里子さんスタイル良いですね」

「ありがとう」

「なんでも似合うから選びやすいです」


「今度はスーツ」

絵里子はスーツを選び亮に着せてみた。

「僕が着てもいいんですか?」

「プレゼントをする相手はあなただから」

「えっ!]

絵里子の選んだのは30万円の高級スーツだった。

買い物を終えると16時になりケーキ店ル・フルールに入った。


「亮さん、誕生日の今日からお酒飲めるわよね」

「はい、そうですね」

「じゃあ、私が最初のお酒の相手になってあげるわ」

「でも、何から飲めばいいですか?」

「そうね、とりあえずワインからがいいかしら」

絵里子と亮は銀座金春通りの近くの酒屋へ行った。


「こんにちは」

店員は昼間の絵里子に気づかず挨拶するだけでいた。

「そうね、ブルゴーニュワインはエシェゾー、

ボルドーはムートンにしましょう」

「これ、どこで飲むんですか?」

「私の家よ」


亮と絵里子はワインを持って絵里子の家に向かった。

有楽町から晴海通りを下った勝鬨橋を渡るとタワーマンション

マンショングランドベイ築地がありタクシーが

着くと絵里子がマンションを指さした。

「ここよ。私のマンション」

亮は2001号室へ案内された。


「わあ、いい部屋ですね。レインボーブリッジがよく観える」

亮は窓ガラスに顔をつけて外を眺めた。

「すみません、絵里子さんってスポンサーさんっているんですか?」

「えっ?いたわよ」

「じゃあ、まずいですよね」

「大丈夫よ。もう死んじゃったから」

「亡くなった・・・」


亮は夫でもない人が亡くなった事、

なんて言って良いか分からなかった。

「だからこの部屋、男性がそれから来ていないのよ」

「そうなんですか」

亮はこのままどうしていいか悩んだ

27歳の女性が彼がいなんてとても寂しい話だ。


「まだ若いから旦那さん探せますね」

「そうね、でも私目当ての男性が逃げちゃうから

 無理かも」

「ねえ、亮さんのコイバナ聞かせて」

絵里子は話が上手で亮は自分と沙織と良子の話をしてしまった。


「そうか素敵なクリスマスだったんだね、それで?今は遠恋?」

「いいえ、そのままです。なんか好きな人が出来たみたいで」

「そうか、遠恋は難しいんだよね、私も京都に住んでいたんだよ」

「そうなんですか、京都いいですね」

「うん」

絵里子は顔を近づけてきた。


「それで、次の彼女が寝取られたのか・・・

じゃあ、亮さんまだ童貞?」

「えっ、まあ」

「そうか・・・」

「私とやる?」

「えっ?」


「私、着替えるから」

「はい」

亮は絵里子の着替え中広い部屋の中を見て歩いた。

さすがに高級クラブのママで宝石類が棚に並んでいた。

しばらくすると白いバスローブ姿で絵里子は亮に抱きつき

キスをした。


「さあ、しましょう。私は今からあなたの初めての女になるの」

絵里子は嬉しそうに笑って亮の手を引いた。

「えっ、ええ」

絵里子は亮のシャツのボタンをはずし胸を出した。

「じ、自分で脱ぎます、それにシャワーを・・・」


「いいの、あなたの男の匂い感じる」

バスローブを脱いで全裸になった絵里子は

仰向けになった亮に覆いかぶさり激しく唇を吸った。

亮はズボンを脱ぎ上半身裸でボクサーパンツ1枚になった。

「きゃー、もう大きい」

「すみません」


亮は絵里子の上に覆いかぶさりキスをして

乳房を吸ったまるで恋人同士のように

絵里子を抱きしめた。

そして二人の結合で亮の初体験の動きは激しく

絵里子の眼球は動き、まぶたが痙攣すると

全身の力が抜け体をぐったりとさせた。


しばらくすると絵里子は大きなため息とともに目を覚ました。

絵里子は横に寝ている亮の頬に手を当てた。

「あなた良かったわ」

絵里子は亮の股間を握った。


「あ、ありがとうございます」

ベッドに横になったまま二人は向かい合って

時々軽いキスをした。

「ねえ、あなた本当に童貞だったの上手過ぎるわ」

「はい、本当にはじめてです」

「うふふ、可愛い」


「これからも私が相手してあげる、だから勉強頑張って」

「いいんですか?」

「良いわよ。こんなお姉さんで良かったら、でもこれは秘密だから

誰にも言っちゃだめよ」

「はい」


「ところで亮さん、どうしてエッチが上手なの?」

「実は先祖が徳川家の御典医、團正志斎でそれが、

大奥の女性達の性の処理の為に研究開発した秘儀で

豆返しと言うのです」


「そうか、徳川流直伝なのか~歴史感じる」

絵里子は今まで聞いた事のないリアルな

徳川家の話を聞いて興奮してきた。

「高校の時、蔵の中の古文書を父から

譲り受けて見つけたのです」

「そうか偉いね」


亮が恥ずかしそうに照れ笑いを

していると絵里子は話を変えた。

「それで大学を出てどうするの?美宝堂?

アメリカに留学して戻ったらDUN製薬で研究員をします」


「ご先祖様と同じお医者さんじゃないのね」

絵里子は亮に抱きつきキスをした。

二人は睡魔に襲われ気が付いた時は、すっかり外は

暗くなってベッドから見える

レインボーブリッジが七色に変わっていた。

「これから、時々私を抱いてね」

「はあ、いいんですか?」

それから亮は時々絵里子と密会をする事になった。


~~~~~~~

「うふふ、私亮さんの初めての女だったんだよね」

「ははい」

亮の頭には絵里子との事が頭に浮かんだ。

「今日は私を抱きたくて来たんだ」


「あまり大きな声で言わないでください、そうです」

亮は小さな声で言った。

「だめよ」

「えっ!」

亮は自分の考えが甘かった事に落ち込んでいた。


「ただ、見せたいものがあるから

お店が終わったら部屋に行こう」

「まだ時間が・・・」

「じゃあ、カウンターで飲んでいて、

お酒強くなったんでしょう。

 他に行っちゃだめよ」


亮が勝鬨橋のマンションに懐かしく思って入った。

チャイムを鳴らすとドアが開き女性が顔を出した。

「おかえりなさいませ。あら?」

女性は亮を見て不思議そうな顔をした。


「では奥様帰らせていただきます」

「はい、ご苦労様です」

女性は亮に気を使いそそくさと帰って行った。

「ただいま。絢香」

絵里子は三歳くらいの女の子を抱き上げた。

「ママ、誰?」

絢香は亮を指さした。


「あなたのパパよ」

「えっ?」

亮は意味が解らなかった

「ねえ私と最後に関係を持ったのは

いつか覚えている?」

「日本を発った4年前です」

「この子三歳よ」

「マジ」

亮は足元が崩れて行った。

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