第4話 辿り着いた場所

 あれからどれくらいの年月が経ったのだろうか…

 この世界に降り立った頃のワクワクした気持ちなどというものは、とうの昔になくなってしまった。

 人も亜人も魔物も、俺の姿を見ただけで攻撃をしかけてくる。

 相手が魔物の場合はこちらからの反撃もできるので、経験値になってくれるありがたい存在であるが、

 人やごく一部の亜人に対しては、逃げる以外の選択肢がない。

 俺はなるべく人の目につかないように、人の生活圏から離れるような逃亡生活を送りながら、魔物を狩るというような殺伐とした異世界ライフを送っている。


【世界の敵】

 女神ルフィアが創造せし世界イヴィレーデンに存在してはいけない者。

 世界イヴィレーデンに生きる全ての生物から敵意を向けられる。


 正直、この称号の効果を甘く見ていたのは間違いない。今は無理でも、人はいつかわかりあえる。そんな淡い期待をしていた時期もあった…

 だが、現実は非情だ。

 まさに、俺はこの世界の全ての生物から、疎まれ、嫌われ、敵視される存在なのだ…


 


 長い旅の果てに俺が辿り着いた結論だ。


 そんな俺の今のステータスはこうなっている。

「ステータスオープン」

【名前】シドー

【種族】魔王

【LV】150

【HP】1510/1510

【SP】3030/3030

【力】303

【知恵】755

【体力】300

【精神】455

【速さ】302

【運】10

【アクティブスキル】

 魔物作成モンスタークリエイトLV5、

 剣術LV5、体術LV6、槍術LV3、斧術LV4、鎚術LV2、杖術LV5、刀術LV1、弓術LV3、投擲術LV4、盾術LV2、

 火魔法LV5、水魔法LV6、風魔法LV4、土魔法LV6、光魔法LV4、闇魔法LV5、雷魔法LV2、氷魔法LV3、草魔法LV3、無属性魔法LV6、

 時魔法LV2、空間魔法LV3、精霊魔法LV5、

 鑑定LV6、気配察知LV5、隠密LV4、瞬歩LV3、跳躍LV4、

 魔力感知LV5、魔力操作LV6、短縮詠唱LV6、思考加速LV4、並列思考LV3

常時パッシブスキル】

 不老不滅、生命力自動回復LV4、回復量増加LV3、魔力自動回復LV5、魔力回復量増加LV4、

 斬撃耐性LV5、打撃耐性LV6、刺突耐性LV5、

 火耐性LV6、水耐性LV5、風耐性LV6、土耐性LV5、光耐性LV4、闇耐性LV6、氷耐性LV4、雷耐性LV3、自然耐性LV5、魔力障壁LV4、

 毒耐性LV6、麻痺体制LV5、沈黙耐性LV5、石化耐性LV4、恐怖耐性LV6、幻惑耐性LV4、魅了耐性LV4、気絶耐性LV5、睡眠耐性LV5、即死耐性LV3、弱体化耐性LV2

EXエクストラスキル】

 女神の制約、魔王の運命さだめ

【称号】

 転生者、世界を超えし者、勇者の贄、世界の敵、逃亡者、殲滅者、耐える者、ダンジョン踏破者、竜殺し《ドラゴンスレイヤー》、魔物の主、武器マスタリー、魔法マスタリー


 随分とスキルも充実してきたな…という感じだが、それだけ過酷な逃亡生活だったということを物語っている。

 それと共に、俺の固有スキルの成長もスキルの獲得に一役かってくれた。

 魔物作成モンスタークリエイトはレベル上昇に応じて、出来ることが増えていくタイプのスキルだった。

 開放された能力はこれだ。

 Lv1…魔物作成

 LV2…意思疎通

 LV3…魔物支配力増加

 LV4…魔物鑑定

 LV5…スキル共有

 意思疎通で魔物モンスターとの念話が可能になり、言葉を話せない魔物モンスターとも会話ができるようになった。

 支配力増加は、自身のレベル以下の数だけ魔物を作成することができるというもので、これが開放されたことで魔物モンスター1体しか作成できないという問題は解決した。とはいえ、作成できるのは1種類につき1体という制限は付くのだが…

 ぞろぞろと連れ歩くわけにも行かないので、旅の途中で適当な場所に放し、魔物を倒して経験値を稼いでもらっている。

 まぁ、その内の何体かはこの世界の冒険者によって討伐されてしまっているのだが…

 俺の生み出した眷属は

もこの世界の人族に攻撃することができないので、仕方がないと諦めている。

 今現在、何体の魔物モンスターが活動しているかという情報も、ここに表示されている。

 魔物支配数150

(あ、今LV40のオーガが討伐されて149に減ったな…)

 魔物支配数149

 魔物鑑定はその名の通り、初めはできなかった魔物モンスターのステータスを見ることができるようになった。どの魔物モンスターがどんなスキルを持っているか等の確認もこれでできるようになった。

 そして、1度作成した魔物モンスターのデータはいつでも見られるという機能が地味ながら便利だ。

 そして、スキル共有だ。

 これは生み出した魔物モンスターの持っているスキルを獲得することができるというもの。

 それによって更にスキルが充実したのだ。

 そして、共有ということは、俺の持つスキルを魔物モンスター側へ付与することもできる。

 ただし、相性はあるので、獲得出来ないスキルもあるし、付与できるスキルと出来ないスキルも存在する。

 火に弱い魔物モンスターに火魔法を付与とかはできないのだ。

 俺の身体は人間ベースなので、魔物固有の攻撃スキルもほとんど獲得不可だった。尾のない俺に尾撃は無理だということくらいはわかる。(一応試してはみたがやはり無理だった)

 スキル共有ができるようになって、まず、属性魔法を獲得した。

 その時に魔法マスタリーという称号がついたので、これは…?と思い、

 武術スキルを手当たり次第獲得して、見事武器マスタリーもゲットした。

 武術スキルの獲得にはゴブリン種がかなり役に立った。彼らは対応する武器を持たせることで武術スキルを獲得するという特性があったのだ。

 だが、刀術だけは獲得できなかったので、苦肉の策として木刀を作って使い続けてみることにしたのだ。

 これが正しいのかどうかは賭けだったが、数年かけて刀術LV1を獲得した時は感動したことを覚えている。

【魔法マスタリー】

 全属性の魔法を習得した者。

 魔法発動時の消費SP減。

【武器マスタリー】

 全武術スキルを習得した者。

 武器装備時の攻撃力UP。


 LVが100を超えたあたりから、この世界の冒険者や魔物から致命傷を受けるようなことはほとんどなくなった。

 というより、LVが100を超えているような相手と出会ったことはない。

 おそらく、この世界のレベル上限は99なのではないか?と仮説を立てている。

 とはいえ、まだ、斬られれば痛いし、燃やされれば熱い。

 そして、もう殺されるような心配はないと思っても、どこまでも追いかけて来て攻撃を仕掛けてくる冒険者という職種の人間はうっとおしい。


 世界中を巡り、安住の地を求めて…

 ようやく辿り着いたのが今いるこの場所だ。

[最果ての地]

 世界の北限にある、極寒の大地。

 その不毛な島には生命の営みが全く感じられない。

 世界に生きる全ての存在から敵視される俺にとっては、ここしかないとすら言える場所だ。


 ここで俺は、

 魔物を生み出し、世界中に解き放ち情報と経験値を集める。

 同時に自身のスキルとレベルを上げ、最強の軍団を作り上げる。

 勇者が現れ、俺の命が終わるその前に…



 あのクソ女神ルフィアのいるであろう、神界へと至る道を見つけ、ルフィアを討つ!


 決意を新たに俺の鍛錬の日々が始まった。


 そして…


 この世界に落とされてから、200年の歳月が流れた…

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