妹から嫌われてると思ったら姉の私のことが好きすぎてやばい件について

猫と犬が好き

第1話

私の名前は綾奈目あやなめすみれ。高校2年生。


私には血の繋がった妹がいる。


妹の名前は綾奈目あやなめひなの。高校1年生。


ひなのちゃんとの仲は最悪だ。


例えるなら水と油の関係。


いつからかというと、私が中学校1年生の時からこうなった。


そして今、私はひなのちゃんの部屋のドアの前に来ている。


理由は夜ご飯ができたことを知らせるため。


ああ、憂鬱だ。


そんなことを思いながら私はドアを3回ノックして「ひなのちゃん、夜ご飯できたよ! 」と呼びかける。


この時私はある出来事を思い出した。


以前、ひなのちゃんの部屋のドアを2回ノックした時に、『私の部屋はお手洗いではありませんよ? 』と底冷えする声で言われた。


私はどんな先生に怒られても泣かない自身があったが、このときその自信が音を立てて崩れ去った。


ガチ泣きしそうになったから。


回想終了。


だけどひなのちゃんは部屋からいっこうに出てこない。


私はもう一度ドアをノックしようとすると顔を少し赤らめさせ、新雪のようなきれいな白色の髪をハーフアップにしているひなのちゃんが部屋から出てきた。


ちなみにひなのちゃんはアルビノだ。


「ねえ、ひなのちゃん。顔が赤いけど熱あるの? 少しおでこ触らせて! 」


「熱じゃありませんのでおかまいなく」


「いいから! ね? 」


「いいって言ってるんですよ! 」


ひなのちゃんは私を睨みつけながら怒鳴る。


「ごめん……」


「まあいいです。ところであなたは夜ご飯を食べましたか? 」


「まだだけど……」


「先に食べてればいいのに」


私の心は瀕死になった。


ご飯を食べ終わると私は「ごちそうさまでした」と言って台所に食器を置いて自分の部屋に戻り、ベッドにダイブする。


「昔の仲良し姉妹に戻りたいな……」


私はぽつりと呟いた。



しばらくするとお母さんから「2人ともお風呂に入りなさいー! 」と聞こえたので私は下着、パジャマ、バスタオルを持って部屋を出る。


ひなのちゃんはいつも私の後に入るから呼びかけない。


私はポニーテールをほどいてから服を脱いでお風呂に入る。


お風呂から出ると私はひなのちゃんの部屋の前で「お風呂あいたよ! 」と言って自室に戻る。


自室に戻るとゴミ箱に入っているはずのゴミが無くなっていた。


そういえば明日は燃えるゴミだからお母さんが回収したのかな?


私はお母さんに心の中で感謝した。


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