第9話  フランス料理、最初はアミューズです

「今日は、ミントの皆さんとお食事ということで、フランス料理にですわ。みなさん、マナーは知っておりますか?」


ミントの皆さんは、首を縦に振ります。

さすが、みなさん知っているのですね。私ももちろん知っています。

夜月さんがいないのは残念ですね。


「では、食事を始めましょう」

「お飲み物はいかがいたしますか?」


早速メイドが聞いてきます。

全員が聞かれているようです。みなさんは何を頼むのでしょうか。


「ミネラルウォーターと炭酸水をお願いします。ミネラルウォーターは軟水で」

「かしこまりました、お嬢様」


他の皆様も注文が完了したようです。

水と炭酸水が私の斜め右にコトンと置かれます。

お父様とお母様は赤ワインと白ワインをそれぞれ注文したようです。

ミントのみなさんは私と似ています。

私がミネラルウォーターを一口飲むと、アミューズが運ばれてきました。

アミューズとは、正式にはアミューズ・ブーシュ。

『一口のお楽しみ』です。

今回のアミューズは、クラッカーの上にクリームチーズ、さらにその上にサーモンが乗っているものでした。

私はそれを手で掴んで、口に運びます。


ぱく。


うん、美味しいです。

ですが、これはまだアミューズですから、『おもてなし』です。

本番はここから。

『一口のお楽しみ』を食べおえ、ミネラルウォーターをまた一口飲みました。

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