第13話 お買い物





「えへへ。りゅうちゃんとデートだぁ」


まゆの車の助手席に乗ると運転席に座ったまゆが満面の笑みで足をパタパタさせながら嬉しそうにしている。かわいい。


まゆの車には僕とまゆがお揃いで買ったぬいぐるみが置かれている。まゆはこのぬいぐるみをすごく大切にしていて車に乗るたびに2つのぬいぐるみを後部座席に引っ付けて置いている。助手席に誰もいない時は2つのぬいぐるみを助手席に置いているらしい。かわいい。


「りゅうちゃん、ナビお願いねー」

「了解」


まゆの車にはナビが付いているけど、まゆはこのナビをあまり使わない。僕がスマホのナビで道を調べてまゆに伝える。それがいつもの僕たちだった。


「まゆ、次の信号超えたら右車線に入ってその次の信号右に曲がってね」

「はーい」


まゆ曰く、僕のナビのタイミングがまゆの運転にはちょうどいいらしい。たまーにまゆと話すことに夢中になってしまってナビをすることを忘れてまゆにちょっと怒られることもあったりする。


「よし、着いた!」


まゆの車に乗ってから15分くらい、かなり大きなショッピングモールに到着して駐車場に車を停めて車から降りてすぐに僕の方にテクテクと歩いてきてくれるまゆと手を繋ぎショッピングモールの店内に向かう。


「うわぁ。広いねぇ」


始めてくるショッピングモールなので店内がわからなかった為、とりあえずフロアガイドを確認しに向かう。僕とまゆの実家の近くにあるショッピングモールよりもかなり広くて迷子になってしまいそうだった。ショッピングモールの広さに比例するように人の数も多くて店内はかなり賑わっている。


「まゆ、手を離さないようにね」

「うん。でも、なんか子ども扱いされてるみたいだなぁ」


まゆは頬を膨らませて不満を口にする。かわいい。別に子ども扱いしたとかいうことはないんだけどな…


「まゆ、どうしたの?」


急にまゆが止まったのでまゆの方を見ると服屋さんに飾られていた服を見ていた。気に入ったのかな?


「かわいいね。まゆにすごく似合いそう。一回試着してみてよ」


本来の目的と変わってしまうが、せっかくだから。とまゆに声をかける。たぶん、まゆが着たらめちゃくちゃ似合うだろうな。と僕も思う。


「ううん。大丈夫。ありがとうね。今はさ、2人暮らし始めたばかりでちょっと節約しないとだし、今は大丈夫。さ、行こ!」


まゆは笑顔でそう言って僕の手を引っ張って歩き出す。まゆのためにも、来月からのお仕事を頑張らないとな…と改めて思った。







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