第3話 年齢

 年齢は、「かぞえ」で表されます。


 「数え」には、ゼロという数字はありませんので、1からはじまります。


 鎌倉時代には、ゼロという観念がないのです。だから「太郎」「次郎」はいても、「零郎」はいません(笑)


 「数え一歳」は、今のゼロ歳児。


 「数え二歳」は、今の一歳児です。


 作中では、「数え」で書いています。



 余談ですが、「一郎」もいません。みんな、「太郎」です。


 子供が命を落としやすい時代であったため、「一」という、いかにも命が細りそうな細いイメージの漢字を使わず、「太」という、命が太ってほしいという祈りをこめた漢字を使ったのです。


 こんなところに、日本人の心映えの美しさ、やさしさが表れていると思います。



 ちなみに、頼朝旗揚げの武者に、曽我物語に出てくる「工藤一臈いちろう祐経」がいますが、この一臈は、役職名です。


 本人は次郎で、「工藤一臈いちろう次郎祐経」なのです。ややこしい(笑)

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