月影様

　こちらはまた全然違う雰囲気で。幻想的で美しい光景が目の前に浮かびました。
　それと同時に、人間の尊厳は何物にも傷つけることはできないのだと感じました。
　自分の身を与えることによって、レティシアに愛と生を与えようとしたレプスの気高さを感じさせる物語。世界観に浸れて楽しかったです。

美しい言葉で紡がれる詩的な世界、その整然とした姿はどこか冷厳としていて。
それがレプスと出会って、初めて暖かさを感じたような気がします。
思いを形にするように歩を進めたレティシアは、その行き着いた先でレプスから愛と生を受け取ったのかな、そんな風に感じました。
幻想的ななか、深く考えさせられる、素敵な物語でした。