第42話

ピエロがずっと追いかけてくる。

当たり前だ、仕事を急に邪魔されたから。

私の体力がいつまで持つか分からない。

学校で体育だけ凄く低かったし、

一度も五十メートル走十一秒より早くなったことがない。

「キト、どうすればいいかな」

「乗り物に乗って逃げて」

乗り物に乗るの?

それでどうやって逃げろって言うのか。

だが、そうするしかないだろう。

それ以外の策は私には思い浮かばない。

ちょうど、目の前にジェットコースターがある。

「どうにでもなれっ!」

こんないつ壊れるか分からないものに乗るのは

怖すぎるが、今はそういってられない。

覚悟を決めて飛び乗った。

「動かすよ」

「キト、お願い」

動きだした途端、

コースが変わったような気がする。

どこか未知の場所へ進んでいった。

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