第7話  キース王子の計画

「とりあえずな……俺の自由時間はあと二日。今夜と、明日の昼間は金を稼いで、夜は豪華な宿に泊まって、お前とやりてぇ」


 オーリは固まってしまった。

(「やる……?なにを?」)


「俺の初体験だよ…お前に捧げるぜ」


 キースは、片目を閉じて笑った。


「そういうのは女性となさるんでしょう!?王子様なんだから!!」


「あっ!!酷い偏見!!俺だって、お前と一緒だ。男の方が良いんだ」

「あなたと一緒にしないで下さい。本当に気に入った人を囲ったらどうですか?」


「王が男を側室に持てると思ってるのか!?史上最大の変態王と名を残してしまうだろ!!そうならないように、宰相のグルルから三日間の自由を貰って、街に来たんだぞ」


「僕の意思はどうなるんでしょう?」


「お前の意思は関係ないな。後で礼はすると言ってるんだ。ここは俺の言う事を聞け。」


 オーリは溜め息をついて、キースに自分の着ていた神官服を渡して、オーリはキースの着ていた上等の絹の服を着て街へ出て行った。


 1日半で何をしたらお金が稼げるのか……


「やっぱり、夜は酒場で昼は肉体労働では?」


 オーリが言ったが、キースはひどく顔を歪めていた。


「もっと楽に稼げないのか?」


「賭博に手を出した王だと名を残したいですか?」


 キースの顔はもっと歪んだ。


 ブリスジンの街の歓楽街に出て、酒場で二人洗い場に雇ってもらった。

 危なっかしい手つきで泡泡になりながら、キースは楽しそうに皿を洗っていた。

 不思議と一枚も割らないでいる。


 日にちが跨ぐ頃、皿洗いの仕事が終わり、今日は安宿に泊まった。


「王子様!!明日の晩のことですが……」


「なんだぁ!?」


「僕が王子様の中に入りますから」


「それはダメだ!!俺の花婿の夢はどうなる!!」


「あんな立派なイチモツをお持ちの方に入られたら、僕が裂けちゃいますよ!!

 これは譲れませんから!!」


 いつになくオーリは強気だった。




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