惑星θ

@koku0112

始祖種族

21万年前、迎えに行く者と待つ者に分かれ・・地球から4.3光年遥か彼方ケンタウルス座アルファ星域の惑星θ(シータ)・・そこを入植地にして・・


惑星θは地球より1.5倍も大きな岩石型惑星。

厚い大気に覆われ青く澄んだ海と緑豊かな森や大きな湖があり、あらゆる生命に満ち溢れた楽園だった。


3つの恒星がバランスを保つ3連星のハピタブルゾーンに浮かぶ惑星θ。

1つの赤色矮星・・ケンタウリ・プロキシマ星と眩しく照らす恒星2つ。


明るく照らす恒星と赤色矮星が地平線と反対の地平線から上がり始め夜明けをむかえる。


反対の地平線に現れた赤色矮星は地平線から共に現れた恒星にすぐに隠れ沈む。


眩しい恒星が地平線から現れると景色ががらっと変わる。

2つの大・小の恒星ケンタウルス座アルファ星A、Bが天空で交差して昼間、大・小の恒星が空や大地や海を明るく照らす。


やがて・・大地を照らしていた2つの恒星が地平線に沈む。


再び赤色矮星ケンタウリ・プロキシマ星が地平線に現れる。

空や陸地や海を夕暮れに赤く染める・・しばらくして地平線に沈み・・夜が訪れる。


θ星の夜は短い・・

夜空に大小の月が浮かび、山の尾根や雲を照らす。

海原を心地良い夜風がそっと吹き抜ける。

大小の月が海原に映り幻想的な風景になる。


夜空を見上げると、天空を埋め尽くす、黄色や赤色やオレンジ色や青色に光る無数の星が、ちりばめられた宝石箱のようで、とても・とても美しい。


惑星は1日23時間で公転して惑星の公転地軸は23°に傾く。

赤道上の昼間の平均気温は41℃と熱いが夜中は5℃と冷える広大な砂漠地帯。


北極と南極の極地はマイナス90℃を下回る極寒地域もあり、10000メートルを超える絶壁の氷山に覆われ凍てつく・・どこまでも続く氷の世界。


惑星θは、とてもスケールが大きかった。


海洋は惑星全体の80%近く占めていた。


大海原はどこまでも深く透き通り、超大型生物が悠々と海中を歌いながら泳ぐ・・

浅瀬ではカラフルなサンゴがまるで花畑のように広がっている・・

そこは命溢れる鮮やかな世界が広がっている。


陸地には広大な森林もあれば草原もある・・

春・夏・秋・冬の季節は景色も移ろい、そこに生きる動物と共に、人々も自然から恵みを戴き、村を形作っていた。

村での暮らし方は、お互いを敬い、尊重する生き方を大切にしていた。


山岳地帯の渓谷には、源流から次第に流れが太くなり、川になり、やがて大河になり大海にそそぐ・・

水辺には鮮やかな花が咲き誇り、あらゆる生き物を育んでいた。


青い空は透き通り雲の隙間からキラキラ輝くケンタウルス座アルファ星A、Bが輝く・・

θ星人は太陽神を崇拝していた・・

外見は人類に似ていた。


人類がθ星人に少し似せてある、と言ったほうが正しいのかもしれない。


始祖種族末裔の直系希少人類・・θ星人


どこからか現れた始祖種族は、DNA保存を目的に、生命に満ちた惑星を創造するため、ある惑星の軌道を変えた。


3つの恒星から適切な距離に調整された惑星θと衛星2つ。


・・さらに遡る大昔・・巨大な岩石型原始惑星は、大地の至る所から、火山が大爆発を起こした。

真っ赤に煮えたぎる溶岩を噴き出し、地下奥深くから凄まじく水蒸気を噴出し、もくもくと立ち昇る雲がやがて、惑星を覆いつくす厚い二酸化炭素ガスが主成分の高温の大気になった。


火山の大爆発の後、大気中の水蒸気が大量の酸の雨を降らせた。


酸の雨は止むことがなく、巨大な岩石型原始惑星を覆いつくすまで、酸の雨は止むことがなかった。

大量の酸の海となり、やがて大地の表面を冷ました。


とても・・とても長い期間をかけて、生命の満ちた惑星へ改造していく。


高度な超科学力を維持していくと惑星に負担が、かかりすぎるため、待つ者として・・惑星の自然環境に手を加えることを止め、人々は高度に発達した超科学力を手放し、自然に還っていった。


何百世代と経つうちに、かつての超科学力は忘れ去られた・・θ星人は種族間で、世界大戦を勃発させたことは無かった。


地球時間西暦2050年現在から遡ること9000年程前の惑星θでは・・


θ星人は、大自然を汚す化石燃料に頼ることや・・

核融合エネルギーを使用しない自然循環型エネルギーにより、人々は自然と共生し、生物多様性に富む、自然の恵みが豊かで、とても美しい楽園のような惑星に暮らしていた。

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