第3話 秋葉原からの卒業

別れというのは唐突にやってくる。マコと関係は続いていた、マコはコンカフェをやめコンビニでバイト始めた、昨日「JKリフレ始めようかな」と相談をされ全力で止めた、リフレならコンカフェのほうが全然マシだった。

マコと隆が二十歳になる頃突然のお知らせがTwitterからやってくる。推しの夏目の「戦国」卒業。隆は落ち込んだ、推しの卒業がとうとうやってきてしまった。

一年通ったコンカフェだったが夏目より推せる子はいなかった、マコとは付き合っているが推しとは全く違った。落ち込んでいる隆をみながらマコが慰める。

マコは夏目からメールをもらっていた。


【来月卒業します、マコさんには良くしてもらっていったので卒業をお伝えしようと思いました。正直ヲタクに疲れました。もちろんいい人はいっぱいいましたが一部のヲタクに疲れたので秋葉自体からも卒業しようと思いました】


マコはそのメールを見ながら「お疲れ様」とだけ返信をした。マコには夏目の気持ちが痛いほどわかる、マコの友達のサエもヲタクからのストーカーが原因でやめていたし、マコにもガチ恋のめんどくさいヲタクがいたがマコには隆がいてメンタルケアをしてくれた。隆がいなかったら今でもリストカットを続けていたと思う。

コンカフェで働いてて一番最悪だったのは帰り道、自宅の近くの公園でトイレに連れ込まれ襲われた。犯人はマコの太客のヲタクだった。出会った初日から「付き合ってくれ」と告白されていたが流していた。ヲタクの言葉を真に受けてはいけないといのがマコを育ててくれた先輩の言葉だった。先輩は今年ヲタクに殺されていた。


「戦国」を卒業した先輩は耳かきやでバイトを始めた、コンカフェよりも時給がよく指名制度があり、その指名制度で稼げるのが耳かきやで先輩も指名を複数とるようになっていた。コンカフェよりも距離が近くヲタクたちも勘違いしていく。

ヲタクたちは「俺のことが好きなんだ」と思い込み通い始める。週に一回が徐々に増え出勤のたびにお店に行き、しまいには出勤時間をまるまる買い取られる。

ヲタクは買い取って時間永遠と「付き合ってくれ」と交渉をするという。

先輩は「頭がおかしくなる」と病んでいたが先輩はその仕事をやめれなかった。

先輩には貢いでいる男性がいた、先輩は風俗にも体験入店に行ったが泣きながら途中で帰ったという過去を持っていて耳かき屋ならできるだろうと思い入店したがガチ恋客が多かった先輩はガチ恋客の手によって殺された。


マコは夏目の卒業報告のメールで過去が蘇り涙が止まらくなった、隆には秋葉にいってほしくなかった。確かに付き合うときにマコは「推しは推しと」言ったが私達を苦しめたヲタクと重ねてします。

もちろん隆のことは好きだし、隆は苦しめたヲタクとは違うとは思っているがマコは隆が秋葉に行くことが苦痛だった。もちろん隆はマコが襲われた事も大好きだった先輩が殺されたことなんて知らない、マコはいう気もなかった。

夏目の卒業発表と同時にマコは初めてのわがままを言ってみた。


「夏目ちゃんと一緒に秋葉卒業しない?」


隆はうなずいて唐突に「今まで苦しませてごめん」と呟いた。

このときマコはすべてが見抜かされてる気がした、この人には嘘はつけない。

隆を強く抱きしめわからないように涙を流した

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