第6話:ちょと箸休め的な


 さてさて、辛い物の次は甘いものだ!



 私は女性陣を見る。

 いるのはうちの みさき と羽澄の二人。


 若干男の娘が入っている女装が実は秘密の趣味な後輩君はここでは男性としよう、彼の名誉の為に。



 となると、どうしたもんか?



 ふと八枚切りの食パンに目が留まる。

 それと自家製三年目突入の梅酒がある。


 よし、決まった。

 次はこいつ等だ!!



 まずは三年モノの梅酒をロックのストレートで準備しておく。


 そしてホットサンド用のタイ焼きを焼くようなフライパンを出す。

 食パンに片側、フライパン側にマーガリンを薄く塗って置き、中にとろけるチーズ、マシュマロ、少量のマヨネーズ、乾燥パセリ、そしてホットケーキ用のシロップを入れて同じくフライパン側にマーガリンを塗って挟んで焼く。


 表面がこんがりと焼けたくらいでまな板に出して対角線に切り分ける。

 

 お皿にキッチンペーパーでナプキンのように敷いたものの上に切り分けたそれを乗せ、飾りつけに端っこにパセリを置く。



 「さてさて、女子限定だぞ、名付けて『魅惑のマシュマロサンド』だ!」



 お皿と一緒に梅酒も出す。

 すると真っ先に みさき がやって来る。


 「あれぇ? ホットサンド~? 辛いもの食べたから甘いものが欲しぃ~」



 ニヤリ。


 

 「ちょうど女子限定のスイーツだぞ? デザートピザみたいに温かくて甘いぞ?」


 「おおぉっ!」


 喜びながら「魅惑のマシュマロサンド」を手に取る。

 そしてかぶりつく。



 「うわっ! 甘い!!」


 「餃子じゃないのね? まあいいわ、ぱくっ! うっ!? 甘くて美味しい!?」



 みさき も羽澄もそう言いながらパクパクとそれを食べて行く。


 「これ好きかも~」


 「飲み物はこれが合うぞ?」


 言いながら私は梅酒ロックのストレートを手渡す。

 すると みさき は何も考えずそれを一気飲みする。



 「ぷはぁ~、あ、梅のさわやかな香りがいいかも~」


 「確かに、ホットサンドにマシュマロと何かしら? この風味は、とても焼いたパンに合うわ」



 言いながら羽澄も梅酒を飲む。

 既に酔いが回っているのでストレートである事すら気付いていない様だ。



 「ああ、隠し味にホットケーキのシロップやマヨネーズ、それとお前らの好きなチーズも入れたよ」



 「なるほど、この風味はホットケーキシロップね? 悪くないわ」


 「チーズ旨ぁ~、あ、マヨネーズのわずかな酸味も良いねぇ~」



 ピザにもハニーチーズと言ってチーズに蜂蜜をかけた甘いデザートのようなものがある。

 生地がパンになるがマーガリンのほのかな塩気がマシュマロとシロップの甘さを際立たせる。

 そして梅酒と言う甘みもある飲み物が知らず知らずにその飲むスピードも加速させる。



 「梅酒も美味しぃ~」


 「これ、悪くないわね」



 私はうんうんと唸りながら台所に戻りニヤリと笑う。

 ストレートで既に三杯は飲んだな?



 「Succeed (成功)だ!」




 タルよ、貴様の仇はきっと取ってやるぞ!

 私はぐっとこぶしを握るのだった。 


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