第22話 強敵現る!②


 今日は5対5である。その内の敵チームの三人組がかなりのゾンビ行為で他の二人も近寄りがたい感じでいた。こちらのチームは俺達三人とたまに顔を会わす人達でその人達もやられすぎて少しテンションが低いー。


“この雰囲気は気まずいね~”


 フィールドマスターも察しているのだが知り合いらしくて強く言えない様子であった。


“こんな日もあるさ~!だが、あかりちゃんに怪我させられたら流石に怒るな~”


「よし!ゾンビ狩りするか!」

「出来ますか?」

「ちと力技だけどヘッドショット狙いでいこう!」

「なるほど!」

「首とか顔を狙うの?」

「うん!」

「怪我しないかなぁ?」

「それでも止めないなら今日は帰ろう!」

「そうですね!そうしましょ!」

俺達は3人で無線を繫げてフィールドへ入った。


 フルオート殲滅戦ー。


 俺とあかりちゃんが前で索敵してそれをハムが狙撃と言う作戦である。ハムの狙撃中に敵に角度を付けて俺とあかりちゃんがトドメを刺す。


 早速、櫓下のバリケードエリアで接敵した。

 敵は例の三人組であった。彼等は恐ろしいほどフルオートで撃ち込んでくる。

「グリーンドラム缶に二人!ここからは目視出来ない!」

俺はバリケードに撃ち込まれ続けているから顔が出せないのである。

「ブラインドっぽく撃ち込んできてるよ!」

あかりちゃんが櫓下のバリケードに移動して敵の動きを確認した。

「僕下の櫓まで移動して狙撃姿勢をとります!」

「オッケー!」

俺のバリケード以外の周辺を手当たり次第撃ってきている。

 あかりちゃんが俺を心配そうに見ている。俺は頭を下げておけの合図を送りながら完全にバリケードに身体を隠した。


「櫓到着!狙撃しますね!」

「よろしく!撃ち方が止まったら俺も少し前に移動します!」

「はい!」

そう言ってハムが狙撃した。

「やっぱり当たってるけどヒット言わないですね!撃ち返してきてるけど僕まで届いてないです!でも詰められたら僕もやられる感じです!」

「よし!引きつけておいてください!あかりちゃんと裏を取ってヘッドショットしてみます!」

「お願いします!」

あかりちゃんが櫓裏から敵をハムちゃんと挟み込むように動いて俺はその間を直進した。

「裏取った!頭撃つね」

「オッケー!俺も突撃します!」

あかりちゃんの銃声を合図に敵のバリケードの裏についてカットパイの動きで裏側の敵の頭をレシーライフルで二発撃った。

 距離は二メートル位である。


 敵は頬を左手で押さえながら流石に手を上げた。

 もう一人も撃ち返さずに手を上げてフィールドアウトしていった。


「ヒット~」

少し離れた場所から三人目の声が聞こえた。

「あ!ヒット言った!」

 ハムの狙撃で三人目をやっつけたのである。仲間を失い一人になると弱気になるのかも知れない。

 あかりちゃんが隠れていたドラム缶から合流してきた。

「あの人達!手を上げるだけでヒット言わなかったね!ムカつく!」

「でも、流石にこの距離でヘッドショットはね~ちと心が痛くなるね!そうとう痛いぜ!」

「自業自得だよ!」

フィールドマスターが近付いてきて「流石っす!今日はごめんなさいね!ちと言いずらいお客さんなものでホントに申し訳ないです」と言ってきた。

 しょうがないじゃ済まないことなのだが……しょうがないで済ませようと思った。


 その後は何とか他の敵も倒せて三人でフィールドアウトすると例の三人組は既に帰っていた。


「帰ったんだ!やった!」

「あの距離で目を見ながら撃ったからね!隣の奴もビビって手を上げてたよ」

「しかもハンドガンじゃ無くてレシーライフルですよね?」

「うん!」

「ちと容赦ない平蔵さんが怖かったですよ!」

「まじで!俺は優しいからね!」

「一部始終をスコープで見てましたよ!殺し屋か!って思った」

三人で笑いながらカントリーマアムを食べた。


続く


※やられたら同じ事をやり返すのはダメである。

完全にルール内で倒す。

大人げないが……。

ただ撃ちまくりたいだけなら仲間内で貸し切りサバゲーをするとよい。

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