第2話 妖怪猫又の虎吉はヒーローがお好き♡

 冬の寒い寒い日のことニャ。


 みんなはお出掛けしちゃって、家にはオイラの大好きな人間の雪春と二人っきりだったニャン。


 今日はもしかしたら雪が降るかもって、犬神の豆助が言ってたニャンよ。


 オイラが居候しているのは『おにぎり定食屋甚五郎』ニャ。

 店主の甚五郎の孫が、オイラやみんなにいつも優しい雪春ニャンよ。

 孫は雪春の他にも、雪春の妹が二人いるニャンよ。名前は美空みそら彩花あやかっていうのだニャン。


 人間の子供の姿に变化へんげしたオイラは、雪春の膝の上に座り、二人でおこた(こたつ)に入ってたニャ。


 五人の戦隊ヒーローが戦う番組が大好きなオイラ。

 勇ましいヒーロー達を、テレビを食い入るように見ていたニャンよ。


 今日はヒーローのレッドとピンクが料理をしだしたニャン。


 ニャ、ニャニ〜!?

 ニャンだって!


「『情熱のヒーローファイヤー薔薇鍋』を食べると、力が倍増して格好良くなるニャンかっ!」

「ふふっ。キムチベースなのかな? 赤いからファイヤー鍋か」

「薔薇はなんニャ?」

「豚肉と白菜を巻いたものを並べて、薔薇の花に見立てているのかな?」


 くうー!

 食べたいニャン!

 作って食べたらニャ、きっと勇気が湧いてくるに違いないニャンよ。


「雪春〜。アレアレ! 作ってニャ、作ってニャ」

「ふふふっ。虎吉はヒーローが大好きだものね。うんっ、良いよ。虎吉、じゃあ一緒に作ろうか」


 やったニャン!

 オイラと雪春で、ほっこりホカホカ美味しいヒーローご飯を作ろうニャンね。


 アレを食べたらきっと……。

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