第11話 悪獣の眉間に打ち込む怒りの弾

 11月のある未明、まだ目醒めぬ太陽の代わりに北の明星の輝が進むべき方角を示していた時分、


 健人と祖父は、軽トラに乗り込み鹿狩りに向かった。


 今日の狩場は、祖父の持ち山で家から北東方角へ10kmほどの所ではあったが、道路の殆どが舗道もされてない山道であることから、所要時間は有に1時間はかかる路程であった。

 今日の天気予報は晴れ、朝の気温は11月としては低く10度を下回っていた。


 やっと、太陽が目醒めたかのように辺りが曙光に覆われ出した午前6時頃、軽トラは山道の離合スペースに停車した。


 2人は散弾銃とリュクサックを肩に掛け、竹藪をかき分け、道無き道を歩いて行った。


 この時期の鹿は、山芋の珠芽である「零余子(むかご)」を食することから、祖父は上を向き、山芋の蔓を探しながら歩いていた。

 

 健人は小学生時代の頃、祖父と一緒に鹿狩りに行った時の事を思い出していた。

 もう、15年も前の事であったが、そんなに昔の事とは思えなかった。


 2人は30分ぐらい竹藪の中を登って行き、向かって右手の獣道に入った。

 その側面には杉や檜といった雑木林が生育しており、その斜面は赤土で所々から山水が流れていた。


 祖父が前方斜面を指差し、健人に言った。


 「猪が芋を掘ってしまっとる。」と


 その斜面の中程当たりに、斜面上の檜から山芋の蔓が垂れており、芋だけが綺麗に抜き取られたようにぽっかりと穴が掘られていた。


 そして、その付近の道の上には零余子と鹿の糞が兄弟のように散らばっていた。


 祖父は健人に言った。


「ここじゃわ!そこの先から沢に降りよう、これからはそ~と、歩くんじゃ。」と


 2人は赤土の崖の法面を足音を立て無いよう尻でゆっくりと滑り降り、ヤナセ杉の林を沢に向かってそっと歩いて行った。


 祖父が言った。


 「健人、居るわい、やっぱ、水を飲みよんわ。

 ほら、あれ見てみぃ~」と


 健人が杉の大木からそっと顔を出すと一頭の鹿が沢水を飲んでいた。


 その鹿は、雄鹿で立派な角を生やし、既に濃茶色の冬毛の毛色をし、発情期の証としてのタテガミを生やしていた。


 その距離は2人の居る杉の大木から50mもないように思えた。


 祖父は健人に言った。


 「大物じゃぞ!ありゃ、150(Kg)はあるぞ。」と


 健人は、久々に心臓の鼓動が喜びのために鳴っているのを感じた。

 うつ病の鼓動とは違い、明らかにアドレナリンの分泌により狩猟本能が覚醒した合図のような鼓動であった。


 祖父は健人に言った。


 「お前が撃て!何処を狙うか覚えちょるか?」


 健人は鹿から視線を外さずこう答えた。


 「眉間だろ。」と


 祖父はにっこり笑い、健人の散弾銃の弾を散弾からスラッグ弾にそっと装填し直した。


 そして、健人に銃を渡しながらこう言った。


 「あん大きさやけん、一発弾(スラッグ弾)で仕留めろ。」と


 健人は祖父から銃を受け取ると、レバーをそ~と引き、銃底を右胸の肩寄りにくっ付け、右手で銃把を握り、銃の前床を左掌にそっと置くようにし、鹿がこっちを向くのを息を潜めて待った。


 眉間を狙うのは鹿を即死させるためである。肉の鮮度と言うよりは、苦しみを一瞬にするため、祖父は昔から健人に眉間を狙うよう教えていた。


 鹿はたっぷりと水を飲むと、顔上げ、川上に向かい鼻をくんくん動かし、自身の安全を確認し、そして、一番の危険物である健人の銃口を見ると鼻の動きを止めた。


 その瞬間、「バン!」と銃声が鳴った。

 健人の左手中指はしっかりと引き金を引いていた。


 鹿の頭は、木っ端微塵に花火のように鮮血を散りばめぶっ飛んだ。


 祖父は健人に


 「やっぱ、親父の息子じゃ、外さんのぉ~」とにこにこ笑いながら健人の背中を力一杯叩いた。


 健人も「一発で仕留めたよ。」と祖父に言うよりは、撃った鹿に「痛くなかったよな」と言うかのように呟いた。


 2人は仕留めた鹿を沢から岸辺へ引きずって運び、鋸で角を剃り落とし、ナイフで解体を始めた。

 臓腑と肉と皮に分けて、それぞれのリュクサックに詰め込み、リュクサックに入らない分は、沢にぶっ飛んだ頭と一緒の辺りに投げ捨てた。


 家路は、祖父が大喜びで、近所に鹿肉を配るやら、今日の一番の酒の肴は鹿の肝臓やら、一時も黙る事なく上機嫌で喋り続けていた。


 家に着くと、健人は風呂を沸かしに行き、祖父は鹿肉を小分けにし、それぞれビニール袋に詰め、また、軽トラに乗り、近所に鹿肉を配りに行った。


 その夜は、2人で今日の猟の話に花が咲き、車の中と同じように、祖父の独壇場であった。


 祖父は兎に角、嬉しかったのだ。


 息子がこの家を去ってからは、老体に鞭を撃ち、細々と椎茸栽培や山仕事をこなして来たが、この先の事はやはり不安ではあったのだ。


 そんな時、目に入れても可愛い孫の健人が現れ、一緒に暮らしくれることになり、そして、今日、自身の血を確かに継いでいる証として大鹿を一発で仕留めた。


 この目の当たりにした事実、それが、祖父に対して、祖先の血が脈々と途絶える事なく継承されている事実であることを確信させ、それはこの先も途絶えることなく継がれて行く安堵感を与えたのであった。


 それから1年、健人は祖父と生活を共にした。

 あの事故さえ無ければ、健人は、この先、ずっと、祖父と共に暮らして行きたかったが、


 健人が大鹿を仕留めて1年経った、11月中頃の日曜日、いつもお喋りな祖父が無言で囲炉裏で銃を点検していた。


 健人は囲炉裏に座り、煙草に火を付け、祖父に言った。


 「爺ちゃん、やっぱり行かないといけんのかい?」と


 祖父は銃の点検を終えると、天井を仰ぎながら、「あ~あ~、行かんとなぁ~」と溜息混じり呟いた。


 その前の日、集落に猪が出て、里芋畑を荒らしまくっていた。


 集落の人々が猟友会に猪の駆除を頼んで来たのだ。

 しかし、過疎化の進んだこの集落では猟友会のメンバーも少なくなっており、比較的若いメンバーも、その日は町の小学校で行われる運動会に参加するため、猟には行けないとのことであった。


 祖父は既に75歳であり、この2、3年は視力が落ちたことから、多人数での猟は誤発するといけないから、極力、参加は控えていたのだ。


 健人は自分が代わりに行くからと祖父に言ったが、健人は散弾銃の免許が無く、加えて、今日の猟場は他人の山であることから、祖父は、健人に何かあってはならぬと思い、健人の申し出を頑なに拒んでいた。


 祖父は昼過ぎ、健人に「夕方には戻るけん。」と一言だけ言い、軽トラで猟に向かった。


 健人は何か嫌な予感がしたが、

 祖父が前夜、

 「どうせ、この人数じゃ、仕留めることはできん。ワシも打手やけど仕留め役ではないけん。

 見とくだけやわ。

 昼から夕方まで山に入り、一応、猟友会としての格好を付けるだけやけん。」と話していたのを思い出し、

 取り越し苦労はするまいと思い、畑の里芋の収穫をし始めた。


 健人が里芋を収穫し終え、芋の土を外の井戸で洗っている頃であった。

 まだ、夕日が眩しい時間帯であった。


 祖父の軽トラが健人に近づいて止まった。


 健人は無事に帰って来たんだと軽トラに近づくと、運転手は祖父ではなく、猟友会のメンバーが運転席に座っていた。


 そして、健人に向かって叫んだ。


 「健坊、爺さんがやられた!猪に突かれた!早よ乗れ!病院に行くぞ!」と


 健人は、里芋の泥の付いた手を洗おうともせず、助手席に飛び乗った。


 そして、健人は急発進する猟友会のメンバーにこう問うた。


 「何処をやられた?」と


 猟友会のメンバーは、アクセルを目一杯踏込みながら、

 「腹と太腿をやられたぁ~」と嘆くよう答えた。


 健人は病院に着き、集落の人でごった返す手術室の前に走って向かった。


 1人が健人を見て、「健坊、こっちじぁ~!」と大声で叫び、手を振った。


 健人は駆けつけ、こう聞いた。


 「爺ちゃん、大丈夫ですか!」と


 猟友会のメンバーの1人が小声で健人に言った。


 「あかん、腹から内臓が飛び出てのぉ~、太腿は静脈んとこ噛まれて血が止まらんでのぉ~」と


 猟友会のメンバーがその時の状況を説明してくれた。


 メンバー全員で麓の竹藪に入り、猪がよく目撃されると聞いた、山の中腹の祠辺りを目指していた。


 すると、予想したよりも近くに猪がおり、竹藪から獣道に抜ける手前の水溜りで泥水を飲んでいた。


 その猪は、稀に見る大猪であった。


 前を歩いていたメンバーが慌てて、散弾銃に弾を装填しようとしたが間に合わなかった。


 大猪が此方に気付き、正に猪突猛進、襲い掛かって来た。


 前方のメンバーは大声で「猪がおるぞ!」と叫びながら、後ろに逃げた。

 

 祖父はその時、最後尾を歩いていた。


 後方を歩いてたメンバーも猪の接近に気付き、慌てて弾を装填した。


 そして、祖父の前を歩いていたメンバーが一発撃ったが急所を外してしまった。


 猪は一旦怯んだが、その撃ったメンバーに向かって再度、遅い掛かって来た。


 その時、祖父が前の者を押し退け、猪目掛けて発砲したが、

 やはり、急所を外してしまい、猪の牙が脆に祖父の腹に突き刺さり、牙が刺さったまま、猪が猛烈に首を振り回し、祖父の腑(はらわた)を引っ掛けたまま牙を抜くと、祖父の左太腿に噛み付いた。


 他のメンバーが祖父に噛み付いた猪の頭を銃底で叩き、猪を祖父から切り離した。


 猪は竹藪の中に逃げて行った。


 祖父は、無惨にも腹部から腑を出し、太腿からポンプ水のように血飛沫を上げ、既に意識はなかったそうだ。


 午後6時30分、手術室のドアが開き、医者が健人に近づいて、こう言った。


 「お孫さんですね。駄目でした。失血死でした。」と


 健人は医者に礼を言うと、祖父の側にゆっくりと歩み寄り、その苦痛と恐怖に満ちた絶望の顔、見開いた目を見つめ、そっと瞼を閉じてあげた。


 健人は家に連絡し、父親に祖父が亡くなった事を告げた。


 それからは、健人は病院や葬式や火葬場のことはあまり記憶がない。


 その時、健人は祖父を殺した大猪を殺すことだけを考えていた。


 火葬場から家に戻り、祖父の遺骨が仏壇に置かれ、お経が読まれ出した。

 健人は、そっと、誰にも気づかれないよう腰を上げ、健人の部屋に戻り、服を着替え、祖父から貰った散弾銃を肩に掛け、スラッグ弾を一箱掴み、裏口から軽トラに乗り、あの祖父が殺された山に向かった。


 健人はその山の麓に着くと、黄色いビニールテープが貼り巡らされた竹藪に行って入り、その山の尾根を目指した。


 祖父が健人に言ったことがあった。


 「手負の獣は上に登る。人の居る下には戻らん」と


 健人は何も考えず、上へ上へ、尾根を目指して歩んで行った。


 その肩に担いだ散弾銃には既に2発のスラッグ弾が装填されていた。


 1時間は経ったであろうか、健人は尾根に辿り着いていた。


 その尾根からは低い他の杉山が色鮮やかに紅葉を見せびらかしていた。


 尾根の地面は岩が転がり、所々に大岩が点在していた。


 健人は下を向いてゆっくり歩いた。


 そして、獣の血痕を見つけた。


 その血痕は尾根伝いに点々と跡を残し、大岩の前には血の混じった水溜りがあった。


 健人は自然に銃を構えた。


 大岩の裏から追手が来たのを気づいたように、唸り声が聞こえ出した。


 突然、大きな黒い塊が大岩から飛び出し、健人に向かって突撃して来た。


 健人はその塊を凝視した。


 その顔は鬼の如く「怒り」に満ち溢れていた。


 「バン!バン!」と2発の銃声が山々に木霊した。


 大猪の額に2発のスラッグ弾が連射で命中し、その頭部は吹っ飛んでいた。


 健人はその巨大な屍を睨みつけ、ナイフで2つの牙を切り落とし、祖父がされたように、腹を切り裂き、腑を引き摺り出し、血に塗れた牙2本を掴み、山を降りた。


 健人が実家に帰り着くと父親が1人佇んで待っていた。


 健人は軽トラから降りると、大猪の牙を父親に手渡した。


 父親は健人から牙を受け取ると、健人を強く抱きしめ、耳元でこう囁いた。


 「ありがとうなぁ~、健人、本当にありがとう。」と


 その後、祖父の家は父親が整理のため、健人に代わりに住むこととなり、健人は自分の実家に戻った。


 健人は祖父の家に居られなかった。


 祖父の家に入ると、どうしても、囲炉裏に座り、優しく話しかけてくれた祖父の面影が浮かんで来るのであった。


 健人は、また、自分の居場所を失い、回復していた心の病も、また、健人の心に戻って来た。


 健人、27歳の秋であった。

 その後、酒浸りになった健人は、例の居酒屋で下野陽介と出会い、遊漁船に乗ることとなる。


 

 その頃、熊本のホテルの一室では、あの乱行パーティーが開催され、あるプレイが人気を博していた。


 恭子とあの詩織をKO失神させた金髪の白人女性2人との3Pのレズビアンプレイであった。


 既にセンターステージ台のフロアーベットからは、恭子の歓喜極まる絶頂の叫びが響き渡っていた。


 恭子は大股を開かされ、脚を抱えられ、1人の白人女性からあのペニスバンドで下の口を突かれまくられ、

 その膣内では、スクリューのように回転する亀頭ディドルが恭子の巨大ク○ト○スの裏面を引っ掻き回し、

 そのバイブレーションと白人女性の激しいピストン運動により生じる地震波のような振動により、

 恭子の巨大ク○ト○スは、まるでこむら返りした足の親指のように鬱血し、ヒクヒクとも動けないほど反り返っていた。


 そして、もう1人の白人女性が「69」の体位で、自分の陰部を恭子の顔に押し付けながら、その哀れな恭子の反り返った巨大ク○ト○スの亀頭部分を慰めるように舌先でチョロチョロと突くように舐めるのであった。


 恭子は顔に跨がれた白人女性の陰部を舐めようとはするが、自分の視覚から消えた下半身からの強烈な快感に打ち負け、舐めることを諦め、観客の方に顔を向き、涎を垂らしながら、


 「死んじゃう~、ほんと、死んじゃう~、あうっ、あうっ、いっくん~、いっくん~、死ぬ~~」と


 歓喜の絶頂を叫び、失神KOにされ、それでも許して貰えず、跨った白人女性から頬を引っ叩かれ、意識を取り戻すと、また、地獄のクリ責めが続けられるのであった。


 恭子はより強い快感を求め、詩織の側から離れ、この乱行パーティーの専属スターとなっていたのだ、最早、乱気に満ちた廃人同然であった。


 一方、詩織は以前の性欲が嘘のように消え去り、英一との夜の営も拒否するようになっていた。


 英一は自身の精力の無さを痛感すると共に、アブノーマルな性癖を満たせない欲求不満が焦りとなり、更にはなんとも言い難い危機感を抱くようになっていた。


 そんなある日、英一は父親太郎から実家に呼ばれた。


 太郎は英一にこう言った。


 「そろそろ、子供を作ってはどうかな。詩織も27歳になる、早く第一子を産んでおいた方が良いぞ。」と


 英一は下を向いたまま黙り込んでいた。


 太郎は英一に


 「何かおかしなこと言ったか?」とキョトンした表情を浮かべながら聞いてみた。


 英一は太郎に、詩織を拉致、監禁し、ヘ○インとMDMAで調教して手に入れたなど口が裂けても言えなかった。


 英一は太郎に嘘を付いた。


 「もう直ぐ孫は出来ると思うよ。」と


 太郎は嬉しそうに、「そうか!」と言い、つまらんことを言ったと英一に詫びながら笑っていた。


 その時、英一が太郎にこう尋ねた。


 「ところで、父さん、北野は今、何処に居るんだい?」と


 太郎は急に笑いを止め、苦々しくこう言った。


 「北野か!彼奴は長崎の五島で漁師をしておる!もう、わしとは関係のない人物だ!中国人なんかと取引などしおって!」と


 そして、英一にこう言った。


 「北野がお前を小さい時、よう面倒見てくれたことは分かっておる。

 だが、今、お前は市長だ、そして、その後の衆議院議員選挙が控えておる。

 北野に会うことはやめておけ!」と


 英一は、「分かったよ」と一言だけ言って、北野の話から他の話に上手く変えた。


 その時、英一はこう思っていたのだ。


 「詩織の夜の拒絶は、俺にあれを手に入れろ!と言ってるのと同じだ。

 俺もそろそろ、お前の狂人プレイが欲しくなったよ。」と


 北野とは城下太郎の影の側近であった。

 闇組織との関係は全て北野が仲介した。

 そして、太郎の側近として太郎の警備にも当たり、太郎の家に住み込みで働いていた。

 

 英一にとっては、幼少期の唯一の遊び相手でもあった。


 しかし、北野は、磯村太郎の有働会との関係が報道されたことにより、太郎の政治資金が滞ったことから、それを打開するため、太郎に無断で中国組織と取引を行ったのだ。


 その取引は、かなりの収益を上げ、太郎の政界復帰に必要とされる政治資金は充分に潤したが、

 

 その時、激化するマスコミ報道の真っ只中に立たされていた太郎にとっては、北野の行為は、正に「火中の栗を拾う」が如くに感じ取り、北野を側近から外してしまったのだ。


 そんな薄情な太郎を北野は全く恨むこともせず、「城下先生は必ず政界に復活する!」と信じ、

 自ら太郎との関係を断ち切った上、熊本から姿を消し、太郎の政界復帰に向け、必ず必要となる資金の調達を継続していたのだ。

 漁師に成りすまして、中国のマフィアと、


 英一は北野が健在であることを確かめたかった。


 北野が健在であれば、奴の太郎への忠誠心が変わることはあり得ないとし、そして、そのやり方は「きな臭い」事しかできないことを、英一はよく分かっていた。


 英一が学生時代に所持したヘ○インも、元々は北野から貰った残り物であった。


 英一は、北野に頼めば、必ずヘ○インを手に入れることができると確信していたのだ。


 詩織も英一の推測どおり、あの悪魔の液体「ヘ○イン」を注入してもらうことをやはり期待していた。


 どうしても忘れることができなかった。


 あの「悪夢の絶頂」の快感を

 


 

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