第3話 ゴブリン狩り
さっき手に入れた短剣を構えて勢いよく扉を開ける。今の筋力だからできることだ。前の俺ならどう考えても不可能。むしろ腕が折れる。
突然扉が開いたことに驚いたのか動きが止まっているゴブリン二匹に向かって「純黒」を振るう。なんの抵抗もなくゴブリンの身体を切断することに成功した。それこそまるで豆腐を切るように、だ。
なんと素晴らしい切れ味!これがあればレベル上げが早くなる!まあ武器に頼ってばかりはいられないんだが。
できるだけゴブリンでレベルを上げてSPを獲得して一気にスキルを獲得する。これが作戦だ。OK?
「ということでゴブリン狩りだぁぁ!(小声)」
多すぎると対処できない可能性があるので小声で喝を入れる。わらわらと出てくるゴブリンを斬って斬って斬って斬りまくる。
ピロン!
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レベルが上がりました
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ピロン!
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レベルが上がりました
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「よっし!」
レベルが2つ上がった。
手に入れたSPは40。100を目指したいのであと2つはレベルを上げなければならない。一応
【先立つ者】で補正がかかっているから他よりレベルアップが早いのではなかろうか。
真面目な話、このまま無法地帯な状況が続くなら力が無ければ生き残れない。弱肉強食がこの世の基本なのだから。我を通すのにも生き残るのにも何をするにも強さが基準になるのなら弱者に居場所はなくなる。その上恐らく敵はモンスターだけではない。今の内に「死」という概念に対する考えを変えておかないければこの先対応できないことが増えるはずだ。
まあ今はゴブリンを倒すことに集中しよう。そんなこと考えても仕方ないからな。
「ていうかモンスターはゴブリンしかいないのか?」
そんな考えに呼応するかのように廊下の角から狼のようなモンスターが顔を出す。先に仕掛けるべきかと悩んだが、既にこちらの存在はバレているらしい。
鼻が効くんだろうな。相手は変わったが負ける気はない。腰を落として剣を構える。構えなんて分からないから適当だ。
先に動いたのは狼だった。ゴブリンより遥かに動きが速い。まあ反応できないほどではないので躱しざまに斬りつける。レベルが上がったことで動体視力も上がっているのだろう。口から尻尾までを切り裂いたので狼は既に生き絶えたようだ。剣の振り方も適当なのでどこかで鍛えたい。剣道を習っておかなかったのが悔やまれる。
一匹ならば簡単に対処できる。二匹でも恐らくなんとかなるが、群れで来られると流石に厳しいな。会敵しないように索敵系のスキルは必須みたいだ。
ところでクラスの奴らはどうなったのだろうか。クラスの人間全員が戦えるとは思えないし、食料もないだろう。様子を見てくるべきか?
......いや、まだいいだろう。天堂の奴がいるしな。奴は完璧超人だから大抵のことはなんとかなるだろう。運動神経もいいしゴブリンごときどうとでもできる。
そうとわかったらレベル上げと戦闘能力を鍛えるとしよう。
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あれからレベルがまた2つ上がった。
狼が複数いても対処できるようにもなった。囲まれる前に倒してしまえば何とかなる。剣の扱いについてもかなり慣れてきたと思う。少なくとも壁に剣がひっかかるなんてことは無くなったので上達したのではなかろうか。
少し学校内を偵察したところ、だいたいの生徒は体育館に避難しているらしい。他のごく少数は単独行動をしているようで、姿を確認することは叶わなかった。俺の唯一の友達の
薄情とかではなくアイツなら生き残っていると俺には確信がある。逆に死ぬ所が想像できない。
それはさておき、SPが100貯まったので俺は備品倉庫に戻ってきていた。ステータスを開いて取得可能スキル欄を開く。
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取得可能スキル
・身体強化 I (20SP) ・投擲 (20SP)
・察知 (10SP) ・剣術 (20SP)
・槍術 (20SP) ・斧術 (20SP)
・短剣術 (20SP) ・弓術 (20SP)
・体術 (20SP) ・成長促進 (60SP)
・初級火魔法 (20SP) ・初級水魔法 (20SP)
・初級土魔法 (20SP) ・初級風魔法 (20SP)
・初級光魔法 (20SP) ・初級闇魔法 (20SP)
・直感 (30SP)
特殊スキル
・神童 (50SP)
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結構あるな...。よく考えて取得しないと生死に関わる。今全部のポイントを使い切る必要はないし吟味しまくろう。
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