よく漫画とかアニメであるタイムスリップが実際に自分に起きちゃった!

野獣太郎

第1話 ここはどこ?

俺の名前は、市村将希(いちむらまさき)。17歳だ。好奇心旺盛で明るい、どこにでもいる普通の高校生だ。


「将希!将希!いい加減起きなさい!休みだからって寝過ぎよ!」


母の大きな声が響く。薄く目を開け時計を見ると、8:30を指していた。

「まだそんな時間でもないだろ〜」小さく1人でつぶやく。確かにいつも部活の朝練で5:00に起きてることからすると寝すぎかもしれない。だけど、8:30って平均的じゃないのかよ。そう思いつつ、返事をした。


「んー、今行くー」


そう言って、洗面所に顔を洗いに行く。リビングにつくと親に挨拶はせず、決まって朝のスマホタイムだ。


(まさき〜今日暇なら遊ばない?)


同級生の颯太からだ。確かに今日は暇だ。先週テストも終わったばかりだし、行くのもありだな。


(いいよ!なんかしたいこととかあんの?)


(そうだな。久しぶりに釣りでも行かね?)


そうだ。俺と颯太は釣りが趣味で昔よくやってたんだった。久しぶりにやりたいな。


(それだ!いつもの場所だよな!)


(おう。夜までには帰りたいから13:00でいい?)


(おけ!)


朝飯を食べ、荷造りをした。竿とルアーは入れた。餌は途中で買おう。一応懐中電灯とライターも持っていくか。モバイルバッテリーも必要だ。あぁそうだ、クーラーボックスは要るな。


.....もうこんな時間だ。時計は12:00を指している。昼飯はいいや、途中で買えば。


「行ってきまっす!」


「あんたこれ持ってくー!?」


「あーいるいる。さんきゅー!」


母からポテチと飴をもらった。これはありがたい。


自転車に跨ると軽快な漕ぎで俺は目的地に向かった。途中、コンビニでファミチキと唐揚げ弁当を買い、釣具店で餌を買った。


目的地へあと3分といったところだろうか。何かに躓いた。


ガッシャーン


「痛てててて」


起き上がるために地面に手をつくが、すぐに違和感に気づいた。草か?硬い道路を走っていた俺が、なんで草の上にいる?


「誰だ貴様」


すごく低い声だ。声の主の方に目をやると驚いた。洋服だが、ちょんまげだ!


「なんだその服。貴様何者じゃ。」


そう言うと、腰から刀を取り出し俺の顔の前に突きつけてきた。え?え?え?意味がわからない。こいつ誰だよ。


「お、俺は市村将希って言います。すいませんが、あなたは?」


「信長。と申せば分かるか。」


えーーーーー!嘘でしょ?信長!?場所も変わってるし。これってまさか俺、タイムスリップした!?


第2話へ続く。

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